大浦さんの「白い器」

30歳から漆を使用した器を10年間夢中で作ってきました。
そして今40歳になり、酸化錫を釉薬に使用した錫白釉の器を夢中で作っています。

神戸で生まれた日本人の僕が、日本の技術で作る洋の匂いのする白い器です。

白と言っても、釉薬の濃度、調合、生地の色、焼成方法、形、サイズ感と
様々な条件で変わってくるので、やはり錫白釉も10年間夢中で取り組む事になりそうです。
また夢中になれるモノが見つかって良かったなと思っております。

 大浦 裕記




「大浦 裕記 展」を13日より開催しています。
大浦さんが作り始めた白錫釉の器は、昨年の展示からご紹介が始まりました。

 

「白色」は難しいと、在廊日にお話してくれました。


現在使っている灯油窯で焼く温度、
形や大きさによって歪みがでることもあるそう。
ひとつひとつ白錫釉の作品と向き合いながら、
使う人のために探求されていることが伝わりました。



 

そのなかで生み出された白錫釉の作品。
「やっぱり、白は使いやすいよ」とちょっと照れながら仰っていました。
大浦さんご自身も、日々のお料理を盛り付けて実感されたそうです。

 


始まりの季節である春、毎日繰り返し使う
暮らしの定番となるような一枚と出逢える展示です。
やわらかな白が持つおだやかな空気、どうぞ手に触れて感じてください。



大浦裕記展
4/13(土)-22(月)