9月21日(土)より、佐賀県有田市で作陶されている照井壮さんの作品展が始まりました。
乳白釉、黒釉、フチサビや青刻線などの日常使いしやすい器、人や動物の存在感あるオブジェが並んでいます。
▲キキョウ盤皿
ふくよかな曲線とツンと尖った部分の抑揚、波紋を感じさせる轆轤目にほどよい緊張感が漂うお皿。底に少し厚みがあることで机に置いた時に影が落ち、立体感を感じさせます。食材をパッと引き立ててくれるような器です。
黒釉のものは久しぶりに作られました。表面の細かく斑な質感は、焼成時にゆっくりと温度が下がることで生まれるのだそう。
▲デルフト深皿
しっかりと深さがあり、リムも広く、安心して盛り付けのできる器です。スープを入れたり、ご飯ものにも。照井さんはビビンバやガパオなど、たくさんの具材が乗ったものを食べる時に丁度良いと仰っていました。
▲青白磁角トレーとフチサビフリーカップ
トレーとしてもお皿としても使える道具としての器。パンやスープ、目玉焼きやサラダなど、組み合わせを考えて楽しい朝食プレートに。
フチサビの落ち着いた雰囲気のカップは、湯呑みやそば猪口として。
▲青線刻の器
青い線はアイスピックのようなもので線を掘り、そこに釉薬を入れ込んで表現されたもの。筆以外で線をひく方法を考えた時に生まれた、照井さん独自の技法です。時間が止まったような、どこか懐かしい雰囲気があります。
▲粗磁土リム深皿
砕いた土を練り込む事によって、白いシンプルな形の器に個性が生まれます。少し立ち上がりがあり、汁気のあるものにも使える万能な器。小さい方は取り皿に、大きい方はメイン料理やワンプレートに。
▲少年のようなもの、少女のようなもの、男のようなもの、女のようなもの
▲遠吠えのようなもの、クマのようなもの
大学では彫刻を専攻されていた照井さん。当時は2メートル近くある大きなものを作られていたそうですが、器を作り始めるようになり、手の中に収まる彫刻をコンセプトに制作されています。どこか愛らしい、そばに置いておきたくなる作品です。
すっきりと洗練された照井さんの作品を一つひとつよく見てみると、緩やかな線や轆轤をひいた手の跡、自然を感じさせる質感など、とても有機的な要素がある事に気づきます。お話をしていく中で、そこに照井さんの芯の部分があるように感じました。
電子レンジや食洗器が使える丈夫さも魅力のひとつ。
安心して永く使える日々の器を探しに来てください。
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照井 壮 展
2019.9.21(土) - 30(月)