9月5日より、照井壮展を開催しています。
初めて見た照井さんの器は、粗磁土のマグカップでした。
大きく丸い持ち手を持つとゆったりと持ちやすく、手触りの心地よさにしばらくずっと持っていたような気がします。やわらかな白色が印象的でした。
展示会では、白や定番の形に加え、表情の楽しいオブジェやカラフルな作品が並んでいます。
その1つが、照井さんの色彩が広がる「ナガレルイロ」シリーズ。
数年前から試行錯誤を繰り返して作られるシリーズです。
今回は、片口、メシワン、フリーカップ、ティーボールが届きました。
縁から流れる釉薬は、器ごとに自由に流れていきます。
青、水色、茶、黄土色、グレー、透明。
その器だけが持つ一瞬。勢いよく流れる釉薬の時間をぴたりと止めたようで、角度ごとに器が見せる新しい表情に見入ってしまいます。
流れた先に溜まる釉薬の雫には、気泡が見えるものも。太陽の光に当てると煌々と輝いています。
釉の溜まった部分のなだらかな凹凸が手に心地よく、素地との質感の違いも楽しい器です。
フリーカップには低いものと高いもの。低いものは小鉢や猪口としても。高さのあるものには温かい紅茶やコーヒー、アイスクリームカップにしても楽しいと思いました。
照井さんが作るオブジェには人、生き物への愛情を感じ、ナガレルイロを見ていると器への愛情を感じます。
器にお付けするご自身が作ったプロフィールには、映画好きの照井さんならではの情報がたくさん。思わず熟読してしまいます。
今回は在廊が叶いませんでしたが、次の在廊の時には新しい映画のおすすめも聞かせてもらいたいです。
照井壮さんの今と器の魅力が詰まった展示会となっています。
照井壮展
2020.9.5(土)ー14(月)
コホロ淀屋橋
※照井壮展は完売のため早期終了いたしました。