「スエトシヒロ フルカワゲンゴ展」2023.1.7(土)-16(月)



二子玉川では1月7日(土)より、スエトシヒロ フルカワゲンゴ展を開催しています。
昨年の淀屋橋に続き二回目の開催となるスエさんとフルカワさんの二人展。
一年ぶりに再結成したお二人は前回に増して息がぴったり。
初日はスエさんとフルカワさん、スエさんは2日目も在廊してくださり、冬の柔らかい陽が差し込む店内に楽しそうな声が広がりました。

長野県駒ケ根にて磁器の制作されるスエさん。
なんとも言えない温かさを感じる白の景色が広がります。
スエさんの作る白はほんのりマットで少しだけ艶っぽさもありそのバランスが絶妙です。
現在の白にたどり着くまでには試行錯誤があったのだそう。

△台皿
なめらかでふんわりとした思わず手に取りたくなるようなかたちや質感も作品の魅力。
スエさんの物腰柔らかな人柄が作品に表れているようです。

△ダエンバチ

△ホヤ香茶筒 △ホヤ注器
それぞれの作品につけられた名前も注目したいところ。
スエさんの作品に度々登場する「ホヤ」シリーズ。
海産物の海鞘(ほや)のフォルムからインスピレーションを受けています。

△ホヤRポット
新作のホヤポットは定番に比べるとすっきりとシャープな印象。
スエさんの器でお茶を淹れると、中の色味が引き立ちとても綺麗なのです。
汚れたときは漂白ができるのも頼もしく、気兼ねなくお使いいただけます。

△シェルガタ △アンチガタ △十字カクモノ
アンチ型の意味を訊ねると、「安全地帯です。歌手の方ではなく道路標示のマークの!」とスエさん。
急いで画像を検索してみると納得。まさしく安全地帯でした。
目に映るものから作品のイメージを膨らませるスエさんの感性がとても興味深く、「この作品のモチーフはなんだろう」と考えながら手に取るのもわくわくします。

△ダイヤカップ
今回初めてお店に並ぶ、表面の凹凸が目を惹くカップ。
後ほどご紹介するフルカワさんの文様の作品を意識して作ってくださったそう。
つるんと優しい手取りの器が多いスエさんですが、柔らかい質感にワイルドな雰囲気が加わり、新しい世界を覗けたような気がします。

△ランプ

△一花器
白一色でありながら全く飽きのこないスエさんの器。
色はもちろん、シルエットの美しさや手に取ったときの心地よさ、暮らしの中での使いやすさなど、思わず手に取りたくなるような工夫がたくさん散りばめられています。


群馬県の桐生市で制作されるフルカワさん。
ガラスやオブジェなど様々なジャンルの作品を手掛けるフルカワさんですが、今回の展示ではスエさんの作品との対比が際立つような銀彩や炭化の器を中心にお願いしました。

△マグカップ 炭化/銀彩
コホロでも紹介したことのあるマグカップは、今展から作り方を変えられたそう。
今までは手びねりだったのですが、今回から手びねりした後さらに型を使いよりかっちりとしたフォルムに仕上げられています。
手びねりの素朴さを残しながら、以前よりも縁の部分などがキリっとしてメリハリがあるような印象です。

△銀彩 六角碗
鉢の形がお好きだというフルカワさん。新しく作品をつくるときに、まずは表現したい形を決めて制作に取り掛かるそう。
しっかりと角ばった六角形にふっくらとした碗の部分のバランスが良く、使わないときも棚に飾って眺めたくなるような作品です。
銀彩の器は使っていくうちにだんだんとブロンズの様な雰囲気に変化していきます。

△炭化 碗(文様)
先ほどスエさんのダイヤカップのときにちらっとご紹介した文様の鉢。
コホロのお店に並ぶのは初めてですが、実は学生時代から作っている作品なのだとか。
糸を使いながら少しずつ丁寧に模様を施し、その後4回に分けて型を使って成形されます。
非常に手の込んだ作品ですが、作る工程を話すフルカワさんの生き生きとした姿を見て、心から楽しんで物つくりに取り組まれていることが伝わってきました。


元々備前焼が好きで、焼き締めの様な雰囲気を表現したいと生まれた炭化の作品。
窯の中の火の当たり方により、ずっしりと黒々したものから赤っぽく土らしさが表れているものまでそれぞれ表情が異なります。
「ザクロ」と名付けされた丸い花器は、丸っこい形や口元のギザギザがまるでそのものです。


銀彩と炭化に加えて今回は初めて白の器も届けてくださいました。
厚く重ねられた釉薬がぽってりとしていて、洋の雰囲気にも合いそう。
よく見ると小さいそばかすのような点々がありとても表情が豊か。
スエさんの白とはまた違ったフルカワさんらしい白だと思いました。

形や質感など重厚感のあるかっこいい作品が多いフルカワさんですが、毎年作ってくださる干支の小さな置物はとてもお茶目な雰囲気。今年の卯と昨年の寅です。
作品の幅が広く、どんどん新しいことに挑戦されるフルカワさん。
スエさんのランプを見ながら「今度は照明にも挑戦したくて。内側が銀彩のとか面白そう。」とおっしゃっていました。
これからどんな作品が生まれるのか楽しみです。


色味も質感も異なるスエさんとフルカワさんの作品。
同じ空間に並ぶと、自然とお互いの作品の個性や魅力を引き出され、二人展ならではの世界が広がっています。
お二人とも発想力が豊かで、作りたいものに対してひたすら誠実に向き合う姿勢が共通しているように感じました。
あらゆるところに遊び心が込められているのもお二人の作品の魅力なので、ぜひ目で見て、手に取ってお楽しみいただければと思います。
お店での会期は16日(月)まで。15日(日)19時からはオンラインショップでのご紹介も予定しています。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

1月7日(土)より二子玉川ではスエトシヒロ フルカワゲンゴ展を開催いたします。
磁器土を用いマットで滑らかな質感の器をつくられる愛知県のスエさんと、手びねりや型を用いた作品を群馬県でつくるフルカワさん。
昨年の大阪での展示に続けて二回目の二人展となります。
急須やカップ、プレートなど同じ焼きものでも素材や作り方が異なり、それぞれの作品の面白さが際立ちます。
スエさんの白い器とフルカワさんの黒や銀彩、生み出す色や質感のコントラストをどうぞご覧ください。

また展示に先駆けてお二人の作品をご紹介しています。合わせてお楽しみください。
スエさん フルカワさんの作品はこちら≫

スエトシヒロ フルカワゲンゴ展
2023.1.7(土)-16(月)
作家在廊:7(土) スエ フルカワ 8(日)スエ
11:00-19:00
KOHORO二玉川