水谷智美展 2019.11.23(土)-12.3(火)

水谷智美展が始まりました。KOHOROでは初めての個展です。
初日には、水谷さんが在廊され、展示会まで楽しみにお待ちくださった方々も、水谷さんとお話ししながらゆっくりと選んでいかれました。



土器が好きだという水谷さん。アフリカなど国々で古くから使われる器、地面に直接置いて使う、器のルーツのような形にも心が落ち着くところがあるそうです。
水谷さんのカップや、鉢、のびやかな形を見ていると、器づくりの起源にあったであろう大らかさや力強さ、使う楽しみを感じます。
カップや飯碗など、手びねりで作られた形には指のあとの温かみ、型の器には硬くならない緩やかなたわみや曲線があります。

炻器という陶器と磁器の間のような作りでとても丈夫な水谷さんの器。
顔料で作った色を掛けて焼き、1つ1つ研磨することでそれぞれ異なる表情になります。
研磨する作業には、形を作り上げるのと同じくらい、とても時間と手間がかかるそうです。
青、緑、赤、茶、黒、落ち着いた色調の中に多彩な表情があり、使うほどに深い色に変化していくのがとても楽しみです。



今回は丸いもの、コロコロしたものも1つのテーマとして、カップやボウルも届きました。
小さなお子さん用にとイメージして作ったツノカップ。
お茶やスープ、付け合せの料理など、プレートやソーサーと合わせると愛らしさが際立ち、組み合わせて選ぶ方も多いです。ツノを持ったり、器を包み込んで親指を添えたり。使ってみるとしっくりと手に収まる形です。



定番のリムプレートには、お願いしてSとMの間に新しいサイズを作ってもらいました。
18cmのリムプレートMSは、朝食のプレート、おかずや取り皿、デザートにも、出番の多い万能な大きさです。

毎回土を掘ってきて原土で作る器。採った場所、配分によって色の出方も変わるそう。
土が作る色を水谷さんが研磨して表情にする。同じ形でも一期一会、その時だけの出会いとなる器です。



吸湿性があり、しっかり焼き締められているので、蓋物は塩や味噌など塩分のある調味料にも。
食卓や戸棚に並べると、途端に楽しい雰囲気になるようで何が入っているんだろうと手に取りたくなります。



蕎麦猪口のサイズに合わせて薬味皿にもなる小皿を作ったのが、水谷さんの小さな楽しみ。
重ねて使ったり、コースターにしたり。
プレートに小皿やカップ。鉢と一緒に取り皿、水谷さんの器は、色や形違いにも統一感があって、器の組み合わせを色々試せる自由さも魅力です。

束子で洗って滑らかな質感に育てたり、油もので色の変化を作ったり、日々使う楽しさのある器。
オーバルやリム皿、木やガラス、陶磁器、他の素材とも合わせやすく、使い勝手のよい形がたくさん揃いました。
ぜひ触れて、色や表情を見つけながら、選んでいただきたいです。

水谷智美展
2019.11.23(土)-12.3(火)