會田竜也さんに教わる木の道具

會田竜也さんの作品はこちらからご覧いただけます。

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2017.10.07

會田竜也展が初日を迎えました。
會田さんは現在、神戸の自宅兼工房で制作をされています。




木を使ってあらゆるものを作り出す會田さん。
今回の展示でも、小さな茶さじから、食卓に並ぶトレ―や器、
家族で囲むテーブルまで、さまざまな作品が並んでいます。




木工の制作は完成までに長い時間がかかるため、1日に作れるのは器では8作品ぐらい。
形をつくったあと、ひたすら磨く作業はとても大変なのだそうです。
ご自身が作るものについては、奇をてらわず、
使いやすいものをと心がけているとお話されていました。




使われる素材はさまざま。作品から色や木目など木の個性を知ることができます。
クルミ、サクラ、ウォールナット、ナラなど定番のものから、
ホウやケンポナシなどあまり馴染みのないものまで。

1つひとつの色や質感の違いを見比べて選んでほしいといろいろ届けてくださいました。

比べてみると、同じ素材でも色合いの異なるものがあります。
渋い色調のものがあったり、明るい木目があったり。
木のもつタンニンという成分が多いと黒っぽい色が強く出るそうで、
同じ種類でも木が違えば変化の仕方も変わります。

▲クルミ

それぞれが持つ風合いや、使いながら育て変化させていくことが、
木の作品を使う大きな楽しみの1つです。

写真はスタッフが使い続けているサクラの茶筒(右)
年月を重ねて育つものがある暮らしはとても豊かに感じます。



トレーやお盆、ボウルや皿などの器はサイズ違いも揃っています。

トレーやお盆は机に置く幅や、持ちあげるときの扱いのしやすさ、
収納の便利さを考えて作られていて、手に持ってみたり、
ふだんよく使うサイズの器を置いてみると使い勝手のよさがよくわかります。

3サイズあるお盆は浅めに作られ、持ちやすい形をしています。
會田さんも、形がさりげなくて気に入っていますと手に取られていました。




ふだんお店に並ぶ定番のものだけでなく、
會田さんが作るたくさんの作品を見ていただけるのも個展の楽しみです。

生活の道具となる箱や鏡、引き出しもあります。
何気なく、シンプルな形が気に入っているという箱は、
蓋を開くと上で止まり、音なく静かに開け閉めができます。
洋裁箱やめがねケース、大切な手紙や写真にも。

 

お店を入った正面には素材違いの椅子が2脚、ぴたりと合う丸いテーブル。
椅子とテーブルは注文の受けて作るため、素材を変えることができます。

テーブルは、全体が滑らかな曲線を持ち、広々と物を置ける大きさの丸テーブル。
丸い形が、置くスペースに狭さや圧迫感を感じさせにくくなっています。


椅子は何年も繰り返し作り、會田さんのイメージどおりの形になりました。

背もたれのカーブが肘掛けになり、
手前まで伸ばさず座っているときに邪魔にならないバランスになっています。


食事のときなどまっすぐに座る以外に、少しからだの向きを変え、
姿勢を崩してゆったりくつろぐこともできる奥行きがあります。


座面に細かい鑿跡を残したのは、滑りにくく、寒い季節に肌が触れても寒くないように。

使う人へのあたたかな視点と、形へのこだわりがつまった椅子です。




すっと華奢な印象を与えるスツールは、脚部分を一か所でとめるため支えの形にこだわり、
脚が細くすっきりとしたデザインになりました。
持ってみるととても軽く、強度はしっかりあります。


作品のなかには、大きく穴の開いた蓋物や大鉢があります。
作品の1つ、大鉢の穴を利用してお花を飾ると、とても格好よくなりました。

虫が食べた穴や、気候や木の成長の過程でできた変化を會田さんはそのまま使って作品にします。
自然が作り出すものとして、他のものと同じ延長線上にあるものと考えているそうです。

愛着を持って使ってもらえたら嬉しいと話す姿から、
自然や木への愛情深い向き合い方が伝わってきます。


個性豊かな器を眺めていると自然の持つ大きな力を分けてもらうように感じます。



普段使うものが、あたり前に綺麗であれば嬉しい。
日常の雑器が使いやすかったり、見た目に心地良かったり。

會田さんの作品への姿勢が、そのまま映し出された作品展です。
木のものを選び育てること、木のものと暮らすことをぜひ楽しんでいただきたいです。

 

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會田竜也 Tatsuya Aida
1976年 山形県生まれ
現在、兵庫県にて制作

會田竜也さんの作品はこちらからご覧いただけます。

木の器を中心として茶筒やトレーなどの道具や、家具を作る木工作家。

「普段使うものが、あたり前に綺麗であれば嬉しい。
日常の雑器が使いやすかったり、見た目に心地良かったり。
ありそうでなかなか無いもの、そんな物作りを目指しています。」

季節や乾燥、湿度などに影響を受ける木の状態を
丁寧に見ながらひとつひとつ制作します。
そのように作られた茶筒は蓋の開け閉めが何とも心地よいです。

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