「山田憲栄展」 2022.4.1(金)-11(月)

淀屋橋では、411()まで山田憲栄展を開催しています。
京都で真鍮、アルミ、洋白などの金属を使って制作されている鍛金作家の山田さん。
今回の企画展ではカトラリーを中心に、今までにないほどたくさんの種類を届けてくださいました。あたたかい春の日差しを浴びて煌びやかに存在感を放つ姿にうっとりしてしまいます。

2日目は山田さんが在廊・実演してくださいました。
実演では、ブローチの制作過程をお客様に見ていただきました。
お客様は、ぎこぎこと鋸の心地良い音に吸い寄せられるようにして作り方を聞きながら見入っていらっしゃいました。

山田さんは機械は使用せず手で作ることで生まれるあたたかさを大切に制作されています。
そのためには欠かせない道具がたくさんあるそうで、ご自身で扱いやすいように改良されたものもあるそうです。
ブローチの切り出しには、糸鋸を使用しています。
こちらはチューリップの葉部分を切り出している様子。金属部分を無駄にせず、切る部分も減らせるようにと長年試行錯誤されてきたそうです。
素材の色味から自然のものをモチーフにすることで表現しやすいからと植物や動物などを主に作っていらっしゃいます。
表面を火で焼いたり、叩いて凹凸をつけることで作品に立体感が生まれ、リアルさもありながら童話に出てくるような可愛らしさも感じます。

今回新作のカトラリーもたくさん届いています。
スッカラ大(丸)銀とスッカラ大(楕円)銀の匙部分は、洋白と呼ばれる銅の合金、柄の部分は真鍮で作られています。
定番でご紹介しているスッカラとは同じ形でも印象ががらりと変わります。
洋白はアルミや真鍮よりもとても固いそうで、扱いが難しいとのこと。
扱いにくいものをどうして敢えて使用するのかとお伺いすると誰もやったことがないことをしたいからとおっしゃっていました。
敢えて大変なことに挑戦される山田さんのストイックさを感じました。
洋白という言葉は真鍮よりも聞き馴染みがありませんが、アルミのように艶感は少なく経年変化したような表情です。
素材の違いが組み合わさることで、よりそれぞれの色や質感を引き立たせているように感じます。

軽くて、あたたかいものはあたたかく、冷たいものは冷たく保温性にも優れたアルミ皿。
割れる心配もなく、片付けるのも場所を取らないのが嬉しいところ。

アルミリム皿は、叩きの細かい陰影が美しいです。

叩く回数などで模様の出方が変わり質感も変化していきます。
先程自分で工具を改良されているとお話しがありましたが、そのひとつが金槌。
金槌を一度熱し、石に叩きつけることで敢えて凹みを作っているそう。

この凹みがあることで叩いた時の模様に変化が生まれるのだとか。
叩き方を変えるのではなく、金槌から変えてしまうのはおもしろいなと感じました。

模様や縁の装飾や立ち上がり、曲線など細かく1つひとつを見比べるのが楽しい豆皿。

コースターとして使ったり、お気に入りのアクセサリー、チョコレートや焼き菓子などちょっとしたお菓子をのせて使うのも。 

山田さんの真鍮の作品は育てる楽しみもあります。
写真左側はスタッフが8か月ほど使用しているスッカラ小(楕円)柄(長)。
少し艶感がなくなり、深みのある色合いに変化してきました。
これからどんな風に時を経て変化していくのか楽しみながら使いたいと思います。

この他にもカトラリーレストやトレイなどまだまだたくさんご覧いただけます。
叩き方の違いから生まれる表情の違いをぜひ実際にご覧いただきたいです。
会期は11()まで。

おまけ…
山田さんのカトラリーと常設の作品との組み合わせが楽しいのでご紹介します!
aima
シリーズから。
べイクパンでこれからの季節はゼリーを作って山田さんのサーバーを取り分け用に。
ピーナッツには薬味を入れてスッカラを薬味匙として使いたいです。
バターとジャムを入れてバターナイフと組み合わるのも良さそう。


Awabiwareの岡本純一さんのオーバル皿黒に新作のスッカラ楕円銀を。
ガパオライスやカレーを入れていただきたい。メリハリのでる設えになりそうです。

入荷した隅田さんの桜皿にはヒメフォークで季節の苺ケーキや果物をのせて楽しみたいです。

陶器、ガラス、木と合わせるもので印象も変わり、組み合わせることの楽しみも与えてくれる山田さんの作品。みなさまにもぜひ楽しんでいただきたいです。

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4月1日(金)より淀屋橋では山田憲栄展を開催いたします。京都在住の鍛金作家、山田さんの展示、今年はカトラリーを中心にお願いしました。真鍮やアルミのカトラリーを用途に合わせて選んでいただけるよう、たくさんの種類をご紹介いたします。その他にもデザインに特徴のあるお皿、定番のブローチも並びます。新作にも挑戦してくださるそうです。


山田憲栄展
2022.4.1()-11()
5()は定休日です。
作家在廊:2()
コホロ淀屋橋