境道一 境知子 器がうまれる場所へ

長野県で穴窯をつくり制作をされていた道一さんと知子さん。
2015年に香川県に住まいを移され、お二人で窯をつくり、自然の中にあるそれぞれの工房で作陶をされています。

今年の4月、お二人が暮らし、器をつくる香川の工房を訪れました。



敷地の真ん中には、移住されて最初につくったという窯があります。



きれいに積み上げられたレンガ。丁寧に作られ、日々手入れをしながら使われている様子が伝わってきました。



道一さん、知子さんそれぞれの工房。


窓に囲まれた道一さんの工房は、祖母の家にいるようなどこか懐かしい場所でした。


知子さんの工房では、蹴轆轤について教えてもらいました。

右足で蹴って、左足で巻き込むように廻して使います。
安定させたいとき、勢いを出したいとき、作品によって力の入れかたを変えて作るそうです。


伺ったときは、年に一度だけ焼く、焼き締めの窯焚きに向けて準備が進んでいるところ。
下の写真にある少し長めのポットは、今回の展示会に新しく並んだ麦茶ポット。


年に一度だけしか焼かないから、あれもこれもと考えながら作るのが楽しいというお話のとおり、お二人の工房の棚には焼成前の作品が所狭しと並んでいました。ここで焼成を待っていた器が、今回の展示会にたくさん届いています。


焼き締めや織部、黒釉など深い色彩を表現する道一さんの器。
力強さやおおらかさが器のなかに表れます。


美しいシルエットで焼き締め、白磁、半磁土とさまざまな土を使い分ける知子さんの器。やさしく、心地よく手になじみます。


6日からはじまった淀屋橋での展示会には、お二人それぞれの多彩な作品、たくさんの器を届けてくださいました。