合鹿椀とは、石川県の合鹿地方で作られたことから名付けられました。他の器に比べて高台の高い形が特徴で、床に置いて食事ができるようにと作られたそうです。山岸さんが作る合鹿椀は、存在感のある姿ながら持ちやすく、丼もの、汁物と多目的に使いやすい大きさです。今回は新しく、古根来の合鹿椀が出来上がりました。古根来は、骨董品のような風合いを出したいと、山岸さんが作った色。朱色がかった深い色合いには、昔から使われ続けてきた器のような歴史の趣も感じます。強い赤色ではないので、他の器とも合わせやすく、お料理を引き立てながら食卓を明るくしてくれます。▲古根来の色合い。底には下地に塗った黒い漆が透けて見え、それぞれに表情があります。素材は樹脂を固めて作られており、軽く丈夫で、木の変化がないため海外で使う方への贈りものにもおすすめです。漆器の大きな楽しみの1つは、色合いの変化。漆の赤は、初めは深く重みのある色をしていますが、使うほどに鮮やかに変化します。下の写真は、左が新しいもの、右が半年ほど使った器。半年ほどの違いでもより鮮やかに変化しているのが分かります。▲左:新しいもの 右:半年ほど使った器暮らしの中で育ち、自分の器に育っていく漆の器。いつもの丼ご飯や煮物を華やかに引き立ててくれ、年越しそばやお雑煮、特別な日のお料理を美しく飾ってくれます。お店の定番として、木合で作る渕布合鹿椀の曙と根来をご紹介しています。新しい古根来合鹿椀の形や色も、長く楽しんでいただけたらと思います。