「奥平明子 展」 2024.6.1(土)-10(月)

奥平明子展が6月1日(土)よりKOHORO二子玉川で始まりました。
今回のテーマは「蓋付き容器」。
初日には形も大きさも異なる30点もの蓋ものが並びました。
他にも新作のグラスやボウル、定番のプレートなど幅広く作品をご覧いただけます。




奥平さんは酵素シロップやジャム、梅干しなど、手作りの保存食を普段から作られていて、その話を聞くのを私たちスタッフもいつも楽しみにしています。
昨年末の展示でお会いした時に「次は6月なので、仕込みものの季節ですね」なんていう話をしていたら、春の打ち合わせでは、すでに試作を用意してくれていました。

「業務用や密封性の高い保存容器には勝てないけど、毎日の暮らしの中で気軽に楽しめるものが作れたら。」
そういって見せて下さったのは、蓋を外したときの形も素敵な、器と保存容器の間のようなガラスの容れもの。
何気なくレンゲやスッカラを入れてテーブルに置かれた姿には心が弾みました。

仕込んでおいたマリネやピクルスをそのまま食卓に出してたり、沢山仕込むのは大変だけれどちょっとだけ楽しみたい季節の保存食や、シロップ漬けのフルーツ、日々の保存に使えるようなイメージで形を膨らませていったそうで、奥平さん自身もボトル型のタイプに塩こうじを入れたり、晩ごはんの副菜を作って置いたり、色んな使い方を楽しまれているのだと教えてくれました。



大きなボトルタイプも口が広く作られ、洗いやすいのが奥平さんらしい視点です。
一つひとつ蓋の形状やかたち、大きさも違っているので、使い方を想像しながらお選びください。


グラスはこれまでも作っていたものがありましたが、今回新しいデザインがいくつか届きました。
ひとつは「モールド」シリーズ。
ガラスがまだ柔らかいうちに型に入れて模様を作ります。
光にあたったときにわずかな揺らめきが見て取れるくらいのさり気ないモールが心地よく感じられます。


もうひとつは「△」シリーズ。
以前からある「ギザフチ」シリーズと同じ道具を使って作られているこちらは、道具の縁を使うことで模様を付けて行くのだそう。
どちらもコップとカップの二種類、飲みものからデザートまで幅広く使える形に考えられています。

何気ない時に映る影や光を通した時の表情、硝子という透明な素材のもつ軽やかさや存在感が好きなんです、と話す奥平さん。
飲み終わった後のさりげなく置かれたコップや、食器棚に重なった器など、日常の中にある景色。
刻々と過ぎる季節や時間、使う日々の中のふとした瞬間に魅力が潜んでいます。

自宅でも、長年試して使い込んできたという調理道具たちに溶け込むように自身の作品が佇んでいました。
台所の上にいくつか立ち並んでいたのはカトラリーやお箸などが入った持ち手の無い長細い片口。
以前出来上がったシロップを入れるのにと考えた作品なのだそう。
真夏にお茶をたっぷりつくっておいたり、花を生けたり、こちらも色々な使い方が出来そうだなと思いました。
これまでに色んな道具を使ってきた経験からも、「これはなくてもよさそう」「こっちのほうが使いやすい」と常識にとらわれず、素直な視点でいつもものを見られているように感じます。
ガラスが美しく見えるかたちと、使い心地の良さ。
ちょうどよいところのバランスを感じとることで、作品は生まれてゆきます。


家事や子育て、忙しい日々の中でも家仕事や暮らしの延長にものづくりがあり、そんな奥平さんだからこそ持つ視点やそのさきにある眼差し。
そしてどこまでも自然な姿でいつも目の前の事を楽しまれていること、その空気感が実際にお店で選んで下さる方にも伝わっていくように思います。


2021年から今回で4度目となる作品展。
これまでの展示でも、ボウルや脚付きの器、今回の蓋付き容器など、毎年テーマに合わせて考えて下さいました。
作品展では、日々の暮らしや仕事、そこから感じたことや経験したことがかたちとなった作り手"今"を展示をしています。
会期は10日(月)まで。
どうぞこの機会にご覧ください。

2023年の作品展はこちら≫
2022年の作品展はこちら≫

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神奈川県にある葉山町、海岸にもほど近い自宅と繋がる工房で硝子の器を制作する奥平明子さん。
今回で4度目となる作品展をKOHORO二子玉川で開催します。

日々の暮らしの延長にある奥平さんのものづくり。
毎日の家事や家仕事をするなかにある気づきや、ふとした瞬間に潜む感覚に目を向けながら透明な輪郭にかたちを宿らせていきます。


今回の新しい蓋付容器も、花を生けるのにも使えたり、仕込んでおいたマリネやおかずを食卓に出せるようにと考えられたもの。
そんな視点から生まれた作品は、いつも使い手である私たちの日常に寄り添ってくれています。
これから始まる季節に向けて、新作のコップも数種類お披露目になります。
どうぞ楽しみにご来店ください。

奥平明子 展

2024.6.1(土)-10(月)
作家在廊:1(土)
月 - 金:11:00-18:00、土日祝:11:00-19:00
KOHORO二子玉川