二子玉川のお店では7月18日(月)まで小林耶摩人展を開催しています。
コホロでは初めての展示ということもあり、定番の作品を中心に作っていただきました。
灰釉・粉引・黒釉の3つの釉薬を主に使い、作陶される小林さん。
プレートや鉢、輪花皿、マグカップなどたくさんの形がずらりと並びました。
初日は小林さんも在廊してくださり、悩んでいらっしゃるお客さまに声をかけたりお話に花が咲く場面もあり、気さくなお人柄が店内を温かく包み込みました。
焼きものの産地である茨城県・笠間市の出身ですが、四年制大学を卒業後、一時期は東京で会社勤めをされていた小林さん。
その後もの作りに興味を持たれ、笠間の窯業学校・修行期間を経て、7年ほど前に作家として独立されました。
独立されたころに考えたという定番の器は、リムの幅や縁の処理など細かな変化はあるものの、大きく変わることなく現在も作り続けている作品がほとんどだという小林さん。
同じかたちを繰り返し作ることで技術が積み重なり、更に研ぎ澄まされた作品になっていくように感じます。
料理の支度をしながら「あの器を今日も使おう」と思わせてくれるような毎日に寄り添う小林さんの器。
食器棚から器を手に取るときや、料理を盛り付けるとき、食卓に並べたとき、器のかたちがきれいに揃っているのは想像以上に心地よいことです。
そのことが小林さんの作品の使いやすさに繋がっています。
使い勝手の良いリムプレートは、5寸~8寸の大きさが定番。
取り皿やおかず、メインの料理まで幅広く対応できるので、今使っているものに合わせてという方やこれから新しく使いたいという方までどんな方にもお選び頂きやすいです。
大きく広がった口とキュッと締まった高台が印象的な小林さんの鉢は、ご自身でも作っていて好きな形です、と小林さん。
土ものの力強さもありながら、とても薄くシャープに仕上げられる小林さんの作風を楽しめるかたちです。
こちらも小ぶりなものから大きいものまで届けてくださいました。
リムのありなしや見込みのかたちでも印象が変わります。
料理を盛り付けた姿はもちろん、横から眺めたときの凛とした佇まいが本当に美しく、器としてだけでなくお花を飾ってみたり、その姿を様々な角度から堪能したくなります。
今回の展示では灰釉、粉引、黒釉の3つの釉薬の作品をご紹介しています。
緑がかった奥深い色味の灰釉、骨董品のような雰囲気も漂う粉引、ところどころきらりと光る金属のような質感が目を惹く黒釉。
乗せるお料理との相性や、色と形をどう組み合わせるか、みなさまじっくりと真剣に考えられる姿が印象的でした。
飯碗は大小2種類。
器を作る際、ひとつひとつが近い大きさになるよう気を付けているという小林さん。
その心遣いが、重ねたときの姿の美しさにもつながっているように感じます。
小林さんの製作工程で欠かせないのが、焼きあがったあと表面を削る作業。
どの作品も手に取ったときにしっとりと優しい感触があります。
手間を惜しまず真摯に仕事に取り組む小林さんの想いが、作品を通して伝わってくるようです。
普段からご自身の作品を使っているという小林さん。
そばちょこはお湯呑として使ったり、朝食のときはヨーグルトを入れてみることもあるのだとか。
在廊時も、お客さまに普段どんな料理を盛り付けているかお話されていて、食卓で器を使うイメージがぐっと広がりました。
自分が実際に使うことでお客さまの視点で使い心地を確かめ、それが制作に生かされているからこそ、一つひとつの作品に安心感と説得力があるのはないでしょうか。
実用性と美しさを兼ね揃える小林さんの器。
ご自身の納得の行くもの作りのため細部まで手を抜かず、実直にひたむきにもの作りに取り組む小林さんだからこそ、はっと見る人の目を惹き長く愛される作品が生まれるのだと思いました。
小林さんの展示は18日(月)までです。
ぜひお手に取ってご覧ください。
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二子玉川では7月9日から小林耶摩人展を開催いたします。
陶器ならではの土味を活かした風合いと端正さ、 使い手と心地よく調和する小林さんの器。
コホロでの初めて作品展、粉引・灰釉・黒釉といった小林さんの定番の釉薬を中心に作品をご紹介いたします。
小林耶摩人展
2022.7.9(土)-18(月)
KOHORO二子玉川