「大森健司 酒井桂一展」2022.8.20(土)-30(火)

8月22日(土)より二子玉川のお店では「大森健司・酒井桂一展」を開催しています。
お二人ともコホロでは初めての作品展です。
初日は大森さん、酒井さんともに在廊してくださいました。

岐阜県にゆかりのあるお二人ですがお会いするのは今回が初めてとのこと。
お互いの作品についてじっくりとお話されたり、来てくださったお客さまと気さくに会話を交わしたり、和やかであたたかい時間が流れました。



△盛器 無地(セン)
愛知県出身、独学で木工を始められた酒井桂一さん、現在は岐阜で作品をつくられています。
数年前よりトレイや匙など、お店でご紹介が始まりました。
「木の持つ自然な色や木目に惹かれるんです」とオイルや漆なども使わない無垢材仕上げを選ぶことも多いという酒井さん。
今回届いた中でも一番大きな盛器は、センの落ち着いた木目や色合いがかたちと相まって穏やかな雰囲気を感じられる作品です。

△十二角盆(セン)
材料の仕入れにも市場へ足を運び自分の目で確かめながら材料を選ばれる酒井さん。
手作業で削りをしたのち、引っ掛かりのないよう滑らかになるまで磨かれた作品は、手に触れたときに何とも言えない心地よい空気の流れが伝わってくるようです。


△我谷盆 拭漆(クリ)
昔の古い器や道具を参考にされることもあり、石川県我谷村でかつて作られていた「我谷盆」は作ってみたかった作品のひとつだと言います。
元々はクリで作られていたものですが、酒井さんは他にもキハダに拭き漆で仕上げた作品も届けてくださいました。
全体に広がる美しい彫り跡や深い色は、すでに使い込んだような存在感。
かたちもたっぷりと器が載るような大きいものから、お茶の時間に使えるようなものまで色々とご紹介しております。

△長方トレイ(クリ)

△角平皿長方 拭漆(ニレ)

△角平皿5寸 拭漆(ケヤキ)
平らなつくりと軽やかさが魅力の拭き漆や無垢の皿やトレイ。
お菓子を載せるのに丁度良い四角や、お菓子とお茶を楽しむときにも活躍しそうな長いものなどをご覧いただけます。
素材の表情を楽しめる無垢と深い色合いを楽しめる拭き漆。
形状も異なり、それぞれの魅力が詰まっています。

△茶托四角 無地(クリ) 拭漆(ケヤキ)

クリ、ケヤキ、セン、ニレなど様々な木を使い、作品を届けてくださった酒井さん。
木の種類によって重さや表情が全く異なり、一度に比べてみることが出来るのも今回の展示ならではの面白さ。
茶托に空いたたくさんの穴は、小さな虫食いの跡。
虫食いでもこんなさりげないものを選ばれるのが、なんだか酒井さんらしく感じました。

△拭き漆皿(クリ)
3つの大きさで届いた丸皿は、漆から覗く木目や彫り跡がシンプルながら目を惹く作品。
軽やかな手取りや載せたものの受け止め方は、想像以上です。
使い心地もよく、漆のものが初めてという方にもお使いいただきやすい作品です。

△角鉢 長 拭漆(クリ)
すっと立ち上がる角鉢は料理やくだもの、盛り付けるだけでどんなものでも引き立ててくれます。
拭き漆は何度も重ねて仕上げられ、使い続けていくことで木目や木の持つ表情も現れてくるのも魅力のひとつ。
育てる過程もお楽しみください。

自分の目で見て木を選び、素材に耳を傾け、その木の良さが存分に生きるような作品に仕上げる酒井さん。
酒井さんと実際にお話してみると、いい意味でふっと方の力が抜けるような優しさがあり、作ることを心から楽しんでいる方だと感じました。
永く暮らしに寄り添ってくれるような作品の数々、ぜひお手に取ってご覧ください。


△銀彩カップ(黒土)/銀彩片口(黒土)
埼玉県出身の大森さんは、岐阜県の多治見で焼きものを学んだのち、現在は岡山県に拠点を移し作陶されています。
コホロでは今までコーヒーカップのご紹介はありましたが、たくさんの作品が並ぶのは今回が初めて。
写真は内側に銀彩を施したカップと片口。丁寧に磨き上げられた銀彩がキリっと華やかな存在感を放ちます。

△カップ(赤土/黒土)
外側の独特な赤やグレーの色味と内側の淡いピンク色の釉薬との対比が目を惹くカップ。重厚感がありながら柔らかさや軽やかさも持ち合わせていて、なんだか新しい出会いのように感じました。
薄手に仕上げられているので口当たりも良く、珈琲やお茶、お酒など毎日のコップとして活躍してくれそうです。


△黒土碗
大森さんの作る鉢は、丸みを帯びたものや口がやや大きく開いたもの、高台がキュッと締まったもの、一つひとつに個性があります。
外側の質感、釉薬の色味、遠目から見たときの形など、皆さまじっくりと比べて悩まれる姿が印象的でした。

△焼〆皿(黒土)
こちらは焼しめの平らな器。
土にかけた化粧を剥がすことで生まれる斑模様は、釉薬とはまた違った色の美しさあります。
たくさんの作り手がいる多治見で、自分ならではの作風を生み出すために試行錯誤を繰り返したという大森さん。
「これならいくつ作品を作っても飽きない!」と自分自身が納得のいく作り方を追求し、現在の作風に辿り着いたそうです。

△黒土ドラ鉢

△ドラ鉢(黒土/赤土)
活動を始めた頃から作っているというドラ鉢。
ドラ鉢はまず色々な大きさを作り、「これは焼き〆のままで十分美しい」、「この形なら釉薬をかけた方が似合いそう」、「この子は銀彩を施した方が華やかになるのでは」と、一つひとつの作品と対話しながら、魅力を最大限に引きだせるよう仕上げているという大森さん。
作品に込められた大森さんの愛情がひしひしと伝わってくるような気がしました。

△黒土鉢各種

△黒土大鉢
新しい釉薬を使った大きさ違いの鉢。
高い温度で焼くと黄色が強くでて、低い温度だとピンク色に近くなるそうです。
カップに施された釉薬よりも黄みがかった色味がより明るい雰囲気を纏い、また違ったグレーとのコントラストを楽しめます。

今回はたくさんの花器も届けてくださいました。
どの形も凛とした佇まいがあり、それぞれ異なる斑模様の顔つきも味わい深いです。
在廊中もずっとにこやかにお話してくださった大森さん。
もの作りに対してまっすぐに熱い想いを持って取り組む姿勢と、柔らかい人柄がどの作品にも表れているように感じました。


陶器の大森さんと木工の酒井さん、扱う素材は異なりますが、作品への向き合い方がどことなく似ているお二人の展示。
大森さんと酒井さんの作品の組み合わせもぜひお楽しみいただきたいです。
大森健司・酒井桂一展は30日(火)までの開催です。
気持ちが研ぎ澄まされるような凛とした空気に包まれた店内、ぜひ覗いてみてください。

大森健司 酒井桂一展
2022.8.20(土)-30(火)
KOHORO二子玉川

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二子玉川では8月20日(土)より大森健司 酒井桂一展を開催いたします。
陶器の大森さんと木工の酒井さん。
異なる素材を用い作品を作られるお二人ですが、素材への向き合い方に共通点があるように感じます。
凛とした空気を纏い静かに佇む大森さんと酒井さんの作品。
初めての展示となりますので、色々な作品を用意してくださいます。
どうぞお楽しみに。

展示会に先駆け作品をご紹介しております。
こちら≫よりご覧ください。


大森健司 酒井桂一展
2022.8.20(土)-30(火)
KOHORO二子玉川