「おいしい珈琲道具店」2023.10.14(土)-29(日)

 コホロ淀屋橋では、10月14日(土)より「おいしい珈琲道具店」を開催しております。
写真は初日の店内の様子。

今年の10月で開店10周年を迎える淀屋橋。
周年イベントとなる今回の展示会では、コホロと長年お付き合いのある方から、初めてのご紹介となる方など、合わせて15人の作家さんに参加していただきました。


店内には様々なデザインのコーヒーカップにピッチャー、真鍮のカトラリーに木のお盆、コーヒースタンドなど、多種多様な珈琲の道具が揃い、周年イベントならではのとても贅沢な空間となりました。


こちらは茨城県笠間市で作陶されている稲吉善光さん。
土らしさが生かされた焼きものには存在感がありながら、野菜の和え物やお肉料理など、色彩のあるお料理を引きたてます。
たっぷりと注ぐことの出来るマグカップは大きな取っ手が握りやすく、自然と手と一体化されるような馴染みの良さも魅力です。

ふっくらとした丸みが新鮮な菓子皿。
信楽の土に鉄泥を塗り、山砂釉をかけて焼いたという表情豊かな作品です。



岐阜県多治見で焼き物について学ばれたのち、現在岡山県で作陶されている大森健司さん。
灰の化粧土を纏った愛らしいピンク、そしてすっきりとした銀彩、それぞれの対比が目を惹く黒土マグやカップ。

色味だけでなくも質感もそれぞれで異なり、外はさらりと優しく、中はつるりと口当たりの良い質感に。
薄い口縁でゆっくりと味わうことのできる大森さんのカップは、珈琲時間のお供に欠かせません。
同じく黒土を使った表情豊かなプレートや、お料理はもちろん、珈琲とお茶菓子をまとめて載せやすいドラ鉢などもご覧いただけます。


茨城県笠間市で作陶されている大和田友香さん。
すらりとした佇まいが特徴的なマグカップ切立や、時おりきらきらと耀く細かな光が印象的な平皿などを届けてくださいました。

内から発光するような、混じりけの無い純粋な白が美しいポット「うつろい」は、丁寧に作り込まれた曲線美と、また水切れの良さに驚かされます。

薄桜の、漆黒にほんのりと滲み出るような桜色に、月の光を浴びうっすらと透けて輝くような月下。

背筋がすっと伸びるような凛とした空気と柔らかなグラデーションに魅了されます。

愛知県瀬戸市にて作陶されている小倉夏樹さん。
作品展でのご紹介は今回が初めてとなります。
鎬の文様がお好きだという小倉さんからは、一本ずつ均等に手作業で削られた鎬に、灰粉引や青白磁、白磁など様々な種類のマグカップ、鎬輪花皿が届きました。

今回初めてのご紹介となる、白い土を焼き締めた「白瓷(しらし)」の鎬マグ。
白磁とはまた違う、澄んだ透明感のある生成り色が目に心地よい
作品です。
高さのある鎬細長マグは容量をたっぷりと入れていただけるにも関わらず、立ち姿はすっきり。

同じ鎬でも使用している釉薬によって大きく印象が変わり、好みに合ったものを選べる楽しさも。

兵庫県姫路市で家具工房を営まれている枯白さんからは、木のドリップスタンドが届きました。

素朴ながらも重厚感のある木と、手作業で生み出さる真鍮の金具のバランスが美しい枯白さんのドリップスタンドは、手持ちのポットやカップに合わせて高さの調節ができ、使い勝手の良さも魅力的です。
また少し歪なつまみの部分は手作りされているからこその趣があり、細かな部分まで丁寧な仕上がり。

一点一点の木の特徴を捉え、その良さを最大限に生かした枯白さんならではのドリップスタンド。
使い手と共に同じ時間を過ごしながら、変化し深みを増していく姿をお楽しみいただけます。

小ぶりなサイズが愛らしい茶筒を届けてくださったのは、シェーカーボックスで馴染みのある小林克久さん。
岡山県で木工作家として活動されている小林さんは、タモや楢、ブラックチェリーなど様々な種類の木材を使用し、同じデザインながらそれぞれの木の個性がしっかりと光る作品を生み出されています。

オーバルと丸の二種類の茶筒は、しっかりと外蓋と中蓋で密閉されており、珈琲豆や紅茶など茶葉の保管に最適です。

シェーカースタイルのオーバルキャリアもたくさん用意してくださいました。
蜜蠟で仕上げられた艶やかかな仕上がりは、身の回りのものを綺麗に整えてくれる、見せる収納の心使い味方です。

コホロでは初めてのご紹介となる、富山県でガラスの制作をされている小宮崇さん。
吹きガラスと型、二つの技法で様々なガラスの作品を作られています。
今回の展示会では、アイスコーヒーのグラスやケーキのドーム、シュガーポットなどをご覧いただけます。

摺りガラスのような揺らぎのある表面の模様が美しく、またうっすらと透けるブルーでさりげなく彩られたグラス。
飲み物を注ぐと、光を反射しながらゆらゆらと波打つ姿に心癒されます。

さらりとマットな質感が肌に心地の良い白のうつわも種類豊富に届けてくださいました。
出来上がったガラスに白いガラスの粉を溶着し、サンドブラストという技法を用いて作られています。
しっかりと馴染みが出るよう最後には手磨きで仕上げられているそう。
角のとれた優しい形とまろやかな白は、不思議と穏やかな気持ちにさせてくれます。

岐阜県多治見市で白磁を中心とした作品をつくられる竹下努さん。
磁器ならではの清廉とした姿ながら、小ぶりで手に収まりの良いカップが並びます。
とろけるように流れ落ちる釉薬は見飽きることが無く、見る角度によって様々な表情に。

それぞれの形の中で鎬と無地の二種類を選ぶことができ、どんな組み合わせでも統一感のある食卓に。

青白磁八角皿にはケーキや和菓子、サラダや一人分の炒め物など、つい手に取ってしまうような使い勝手の良いデザインです。


コホロでは初めてのご紹介となる二井内覚さんは、佐賀県の伊万里で作陶されています。

土や釉薬の相性や焼成を通して、自然の中にある景色のような表情を器に映し出される二井内さん。
今展示では珈琲の道具にぴったりのミルクピッチャーやマグカップをたくさん届けてくださいました。

靄がかかったような空、幾重にも重なった地層、銅や鉄を含んだような鉱物。様々な風景が目に浮かぶようです。

愛媛県砥部町の窯元「五松園窯」で砥部焼を制作しながら、砥部焼とは異なる作風でも活動されている二宮亮太さん。
白磁や掛け分けのコーヒーカップ、ドリッパー、ピッチャーなど、合わせて一緒に使いたくなるような作品をたくさん届けてくださいました。

二色の釉薬を使用した
掛け分けはこっくりとした飴色と内側とのコントラストにメリハリがあり、珈琲を一層引き立ててくれます。

優しいアイスグレーの色味が涼やかな気分を感じさせてくれる白磁のカップは、どんな器とも相性が良く、飲み物はもちろんポタージュなどのスープにも。
シンプルながら艶やかさのある、上品な空気を纏います。

福島県いわき市でガラスの制作をされている能登朝奈さん。
一つひとつに合わせた型を粘土で作るところから始まる、パート・ド・ヴェールという技法を用いて丁寧に生み出される能登さんの作品は、それぞれにしかないガラスの質感・耀きを放ちます。

雪原のような景色が中に広がるかたまりひし形やシャーレ。
ガラスながら飲み口に厚みがあるぐい飲みは、まろやかなお酒の風味を感じられそうです。

また今回の珈琲店では、受け皿とセットになったデザートセットを新たに届けてくださいました。
冷たいアイスクリームやフルーツ、ちょっとしたものも自分へのご褒美のように特別な時間を味わえます。

土の力強さを感じるカップやお皿を届けてくださったのは、長野県で作陶されているフユウさん。
コホロでは初めてのご紹介です。

二種類の土を使用し、きめ細かやかな土と、粗い土とですっと整いながらも土っぽさのある仕上がりを表現されています。
ふわっと広がるひらひらの縁は手で象られており、手にすると不思議と気持ちがくつろぐような、ぬくもりのある風合いにほっとします。

気負いなく日常の中で使ってもらえるようにと作られたフユウさんの心使いを感じるマグカップやコンポート皿、リムプレートなど、幅広くご覧いただけます。

同じく長崎県で木工作家として活動されている堀宏治さん。
コホロとは10年以上のお付き合いになります。
くるみやチェリーを使用したお盆やプレート、カトラリーなどを届けてくださいました。

小ぶりながら長さのある持ち手が握りやすいふたまたは、お茶請けに添えるのにぴったりです。
一彫ずつ手作業で彫られた表面は肌に心地良く、また陶器やガラスとの相性も大切に作られているという堀さん。

丸や長方形、正方形など、様々なバリエーションの木のお盆は飽きが来ず、毎日の暮らしにそっと寄り添ってくれるような温かさがあります。

京都の山科で作陶されている鈎一馬さん。
コホロでは初めてのご紹介です。
磁器をメインに制作されているという鈎さんですが、焼き方や釉薬の調合に拘り、引き締まった形でありながらやわらかさのある独自の質感を生み出されています。

紅瓷を用いられたマグカップやピッチャー、また最近作り始めたばかりだという白瓷のマグカップなど、中国の古い骨董などから影響を受けたという優美な作品が並びます。


同じく京都府で活動されている山田憲栄さん。
淀屋橋では毎年個展をさせてただき、コホロとは長いお付き合いになります。

全て手作業で制作をされている山田さんの作品は、手打ちならではの叩き跡など随所に味わいがあり、その細やかさが生み出す陰影には思わず見入ってしまいます。
真鍮やアルミを使用したスッカラやお皿に、今回の展示に合わせてコーヒーメジャーも新たに作ってくださいました。

銅と真鍮との組み合わせが新しく、たっぷりと珈琲豆をすくうことができる丸々としたコーヒーメジャーは、毎日の珈琲時間が楽しみになりそうです。


陶器、磁器、木工、ガラス、金工など、それぞれの作り手によるおいしい珈琲を味わうための道具たち。
一度に見ていただけるこの機会に、自由な組み合わせを楽しみながら選んでみてください。
会期は10月29日(日)まで。
湯気の立つおいしい珈琲と共に、皆様のご来店をお待ちしております。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
10月14日(土)より、淀屋橋にて「おいしい珈琲道具店」を開催いたします。
淀屋橋は、10月で開店10周年を迎えます。
お店にコーヒーカウンターが併設しており、珈琲の香り漂う店内では、珈琲好きの方との器や道具の話が尽きません。
陶、木と鉄、木工、ガラスなど様々な作り手に、珈琲周りの器や道具をお願いしました。
今展では、初めてKOHOROでご紹介する作家さんにも参加いただいています。

また開店当初に販売していた、コホロオリジナルで焙煎したブレンドコーヒー、サンキュウあんぱんも復刻いたします。
コーヒーカウンターでは、10周年限定のスコーンなども提供予定です。
どうぞお楽しみに。

参加作家

稲吉善光 陶
大森健司 陶

大和田友香 陶
小倉夏樹 陶
枯白 木と鉄
小林克久 木工
小宮崇 ガラス
竹下努 陶
二井内覚 陶
二宮亮太 陶
能登朝奈 ガラス
フユウ 陶
堀宏治 木工
鈎一馬 陶
山田憲栄 金工

(50音順)

サンキュウあんぱん販売日
20(金)、27(金)

おいしい珈琲道具店
2023.10.14(土)-29(日)
※17(火)、24(火)は定休日
11:00-18:00
コホロ淀屋橋