淀屋橋にて、6月30日(日)まで「コホロと新潟」を開催しています。
KOHOROでは、毎年「地域」に注目した作品展を行っています。
今年は、初めてとなる新潟県。
山や海など自然にあふれ、おいしい食べ物もたくさん。
新潟に纏わる作り手や地域の誇る産業、豊かな自然の恵みから生まれるおいしい食べ物など、KOHOROが出会った新潟をご紹介します。
・conte 金属
燕市にあるステンレス素材を中心とした金属加工メーカーの「一菱金属」さん。
「conte」とは、たくさんの職人の手(hand=Te)と“共に(with hands)”つくり、燕の分業の象徴ともいえる“コンテナ(container)”で運ばれ、長く使われ続ける(continue)”道具でありたいとの願いを込めた名前。
KOHOROでは、まかないボウルやこしますポット、やくさじなど、定番品として長く紹介しています。
スタッフの中でも愛用者が多く、毎日に欠かせない道具になっています。
・大橋保隆さん 鎚起銅器
一枚の「銅」板を金「鎚」で叩き「起」こし「器」にする鎚起銅器。
江戸時代から伝わる技法は、燕市に於いて、約200年の歴史を誇ります。
幼い頃より、鎚起銅器職人であるお父様の姿をみて育ち、その原体験が、自分の手で一貫して作り上げる、昔ながらの技法にこだわる姿へと繋がっています。
銅はとても丈夫で、熱の伝わりが早く、食材の旨味を逃さず、最大限に引き出すことができます。
金槌でひとうち一打ちして生まれる細やかな模様になめらかな手触り。
行程を幾度と重ねることで、生まれる景色があります。
・大山育男さん(青人窯) 陶磁器
新潟市に工房を構える青人窯 大山育男さん。
柿や火山灰など、天然の原料を用いて、シンプルでモダンながら質感のある器作りを目指されています。
定番の作品を中心に、新潟の果樹の灰や土を使った釉薬の作品が届いています。
また新潟をモチーフとしたniigata箸置きは、お米に限らず、枝豆も多く収穫されることから、おにぎりや枝豆の形をしたものも。
自然に寄り添い、大地を感じるような、おおらかな作品の数々です。
・家事問屋さん 金属
家事問屋さんは、金属加工品の一大産地、新燕三条にて産地の作り手の技術を活かし、使い手の耳に声を傾け寄り添うことで、「ありきたり、なのに使いやすい。」家事の道具を生み出しています。
家事問屋さんのもの作りには、三つの基準があり「洗いやすい・しまいやすい・使いやすい」
コンパクトにしまえたり、こういうものがあったらいいなを叶えてくれる、暮らしに寄り添う道具の数々。
種類もたくさん届けてくださったので、あれもこれもとついつい手に取りたくなります。
キャンプ好きから始まったというホットパンの開発は、約五年もの年月をかけて作られたそう。
使い手を思い、手軽においしく作れることへのこだわりを、使うと納得できる道具です。
新潟県新潟市中央区沼垂にアトリエをかまえる川名萌子さん。
印花という陶のハンコを土に押し付けて文様をつけ、さらに白い土を埋める象嵌という技法で作られる印花模様や貼り合わせて作られた幾何学模様、手びねりのマグカップなど、アートのような器やマグカップ、箸置きなどが届いています。
シンプルなやわらかなフォルムに、抽象画のような雰囲気で、生活に彩りを与えてくれそうです。
・後藤奈々さん 陶磁器
新潟市南区で製作されている後藤奈々さん。
今展では、ピッチャーやマグカップ、輪花皿や鉢などをご紹介しています。
型で作られる流線形のデザインに、美しく流れた釉調。
クリーム色が混じり合うような乳白色に、結晶化した釉薬は、まるで雪の華のように表情豊かな色合いを作り出します。
・髙橋エプロン計画さん 亀田縞エプロン
秋田県で活動されている髙橋エプロン計画さんは、お一人で一つひとつ丁寧にエプロンを作られています。
今回は、新潟県旧亀田町で作られている伝統的な織物を使ったエプロンを制作していただきました。
亀田縞は、江戸時代の優美な伝統色で織られ、柔らかな風合いと丈夫さを備えた日本の伝統生地。
もともと作業着として使われていましたが、堅牢で均一性が高いと評判になったことで、亀田縞と呼ばれるようになりました。
すっぽりとかぶって、着脱ができるため、毎日使う上で必要な気軽さが嬉しいです。
・ツバメコーヒーさん ワイスケドリッパー
2012年にオープンした、新潟県燕市にあるコーヒー店のツバメコーヒーさん。
今回ご紹介しているワイスケドリッパーは、ツバメコーヒーの店主が試行錯誤する中で考え辿り着いた「デザイン性・使い勝手・長く使える」という3つの要素に加え、経年変化を劣化ではなく、味わいであるとする感性を「フォーク(民俗性)」と捉える価値観に基づき、開発されました。
無駄がなくスタイリッシュで、空間に馴染むデザインは、抽出したコーヒーが落ちていく様子も見ることができる優れもの。
・富井貴志さん 木工
10年、20年使用し、木のもののよさを感じてもらえるようにと、ものづくりをされている富井貴志さん。
ものの美しさとは何かと日々向き合っていらっしゃることを感じます。
漆を何度も塗り重ね仕上げた作品は、一つひとつ表情に変化が生まれます。
漆は時間が経つほどに透明度が増し明るい色味に変化していくため、使うほどにそれぞれの味が現れる、経年変化も楽しめる作品です。
ふわりと軽やかで、あたたかな質感は、いつまでも使いたいと思わせてくれるそんな魅力があります。
・nine 木工
長岡市にある家具屋、nineさん。
田んぼに囲まれた工房で、無垢材の家具を製作し、隣接したお店で作品を展示されています。
今展では、新潟魚沼市のスノービーチを使った三本脚テーブル、スツールや椅子などの家具も届きました。
スノービーチは、新潟の豪雪地帯で育ち、冬の間じっと積雪に耐えたブナの木。
大白川生産森林組合がより地元の資源を生かそうと、2016年から取り組み始めた活動が「スノービーチプロジェクト」です。
育成と活用、再生という循環利用の仕組みを行うことは、地域の天然林の保全やそこに住む生物の生息空間の保護、さらに地域の活性化を目的とされています。
日本のブナが広く活用され、健全なブナ林の運営と保護が成り立つ未来を思い描かれ、スノービーチを使って作られた三本脚テーブルは、透明感を纏う白い木肌で、節など表情豊か。
家具は、受注も承っています。
・廣川智子さん 陶磁器
長岡市にて、器やオブジェの制作をされている廣川智子さん。
今展では、オブジェを届けてくださいました。
寝そべったり、気持ちよさそうに伸びをする姿など、動物たちが自然な姿で生き生きとした表情をみせます。
細やかな部分まで、動物の特徴を捉えていて、動物のことをよく観察されていること、廣川さんが動物がお好きだということが伝わってきます。
家の空間に置くと、見る度に顔が綻び気持ちが和らぎます。
・リリーフウェア 靴下
身体の理にかなった日本古来の考えや知恵・衣服文化をあらためて紐解きながら、身体や生活にあった「養生のための機能服」を提案し、ものづくりをされています。
その中から今回は、靴下をご紹介しています。
ゴムが入っていない靴下は跡が付かず、締めつけることなく、ゆるやかに履くことができます。
KIHON(基本)、TSUKI(通気)、SHINSHUKU(伸縮)の3種類に、KIHONのバイカラーは、新作として届きました。
カラーバリエーションも豊富です。
ストレスなく、身体に合わせて心地良く包み込んでくれるような靴下です。
新潟のおいしい食べ物もご紹介しています。
はらんなかさんからは、雪下にんじんジュースやさといらずの炒り豆、さつまいもチップスを。
タカツカ農園さんからは、新潟で作られたル レクチェや越後姫などの果物を使ったジャムやドレッシング、米粉など。
佐渡で自家焙煎のカカオ豆と砂糖のみでチョコレートを作られている筵CACAOCHOCOLATEさん。
パッケージには、佐渡とカカオ豆の産地の伝統的な祭りがデザインされています。
佐渡市赤泊地区のかやの実をトッピングした独特な香ばしいチョコレートも。
29日(土)13:00からは、柏崎にある家庭料理のお店「MONEN」さんより、こだわり素材の笹団子が届きます。
笹団子は、柏崎では6月の風でもある新潟名産。
小豆の種蒔き、栽培収穫、ヨモギ取り、笹取り、餡子作りなど、全ての工程を手作業で一つひとつ丁寧に心を込めて作られています。
天然の材料にこだわり、新潟のコシヒカリとコガネモチなど、新潟産が詰め込まれた笹団子は、心にもやさしく、素材の食感を味わえます。
お店で蒸籠で蒸して提供いたしますので、蒸したてをぜひお召し上がりください。
新潟にゆかりある作り手が集まった、賑やかな作品展をどうぞこの機会にご覧ください。
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淀屋橋にて、6月21日(金)より「コホロと新潟」が始まります。
KOHOROでは、毎年「地方」に注目した展示を開催しています。
今年は、初めてとなる「新潟」。
面積も大きく、海や山といった自然にあふれて、四季折々のおいしい食べ物が楽しめます。
たくさんの作り手と新潟の誇る産業、豊かな自然から生まれるおいしい手仕事、KOHOROが出会った「新潟」をご紹介します。
会期中イベントも開催いたします。
○家事問屋さんの出張ホットパン教室
22(土)・23(日)12:00~、14:00~
耳までおいしいホットサンドの作り方を実演していただきます。
試食もご用意いたしますので、どうぞお楽しみに。
家事問屋さんの商品は、3000円以上のお買い物でノベルティをプレゼントいたします。
各種道具の使い方をぜひ伺ってみてください。
○MONENさんの笹団子
29(土)13:00~
柏崎にある家庭料理の店、「MONEN」さんより、こだわり素材の新潟名産笹団子が届きます。
お店で蒸して提供いたしますので、蒸したてをお召し上がりください。
参加作家
conte 金属
大橋保隆 鎚起銅器
大山育男(青人窯) 陶磁器
家具問屋 金属
川名萌子 陶磁器
後藤奈々 陶磁器
髙橋エプロン計画室 亀田縞エプロン
ツバメコーヒー ワイスケドリッパー
富井貴志 木工
nine 家具 木工
廣川智子 陶磁器動物オブジェ
リリーフウェア 靴下
おいしい手仕事
「コホロと新潟」
2024.6.21(金)-30(日)
定休日:25(火)
コホロ淀屋橋
11:00-18:00