2017.11.12
城進展が始まりました。
お茶まわりのもの、土鍋や取鉢、耐熱の鉢やミルクパン、たくさんの器を届けていただきました。
お茶まわりのものでは、使う人数や飲む量、お茶の種類でも選べる、さまざまな大きさのポットやカップが揃います。
料理家さんのリクエストで作られた大きなポットや、たっぷり1人分か、ちょうど2人分お茶が入る小ぶりのポット。
何煎も楽しむ烏龍茶などのお茶は、小さめのポットで淹れると熱々を楽しむことができます。
大小ある汲み出しや輪花の湯呑、土ものの器と磁器のもの。
どれも、手にすっとおさまり、口当たりがよく使い勝手のよい形です。
1つひとつの表情に個性があり、ポットや菓子皿との組み合わせも考えながら、
みなさん並べて楽しそうに選んでいかれます。
城さんはご家族でたっぷり楽しむとき、2人分をゆっくり淹れるとき、大きさの違うポットを使っているそうです。
必要な分に合わせたポットがあると、場面によって使い分けて、おいしくお茶を楽しむことができます。
ポット作りは、茶こし部分に1つひとつ均等になるように穴を開けたり、
持ち手や注ぎ口を作ったり、工程が多く、時間もかかります。
平らな蓋のもの、つまみのついたもの、鉄絵、鉄彩、灰釉粉引、飴釉など、
城さんのポットは形も釉薬も種類が豊富で、それぞれが水切れ良くとても使いやすい形をしています。
お茶を淹れるとき、ポットを手に取ると、おいしく入る!という予感があるような、
ふっと落ち着くような、そんな心持ちになります。
マグカップは、すとんとした形、ふっくらとたっぷり入る形、色も形も選ぶ楽しみがあります。
ミルクをたっぷり入れたカフェオレや、ブラックのコーヒー、毎日使う自分のカップを探す方や、
贈りものに違う種類をペアにする方も。
ポットや器、菓子皿や茶托にもなる小皿。
城さんの器を使ってお茶を飲む。展示を通じてぜひ楽しんでいただきたいテーマです。
お茶にまつわるものだけではなく、飯碗や平皿、角皿、深さのある鉢やすり鉢もサイズ違いで種類があります。
飯碗は3サイズ。ごはんを少しにしたいと小さい飯碗を探す方も、たっぷりサイズを探す方も、
自分のサイズを見つけると、とても嬉しそうです。
角皿はお魚がしっかり盛り付けられる長皿や、おかずにもデザートにも平らで使いやすい大きさも。
好きな器のサイズを選べたり、サイズ違いで揃えられるのも、選ぶ楽しさを広げてくれます。
ヘリンボーン柄の描かれた鉄絵は、城さんが作り続けている1つのシリーズです。
鉄分の入った釉薬を使うことで、金属のような渋みのある風合いが生まれます。
蝋抜きという技法で1本1本手描きでつくられる鉄絵のモチーフは、以前に旅をした西アフリカの泥染めの模様から。
1つの紋様を描きながら、器の形や切り取られた場所によって、新しい表情があります。
旅した場所や、これまで出会った人から得てきたもの、
器を使う人、暮らしをまっすぐに見つめる視点から作られる器は
暮らしのなかで扱いやすく、使うことが楽しみになります。
変わらない強さと新しく向かっていく力、心にあつく持ち続けるものと、静かにしっかりと寄り添うもの。
在廊される城さんの、背筋を伸ばしてまっすぐに立つ姿と、器のもつ凛とした佇まいが重なるようでした。
展示会は19日(日)まで行います。ぜひお手に取ってご覧ください。
城 進 展
2017.11.10(金)-11.19(日)
KOHORO二子玉川