「橋爪香代展」2022.2.11(金)-23(水)

淀屋橋にて223()まで橋爪香代展を開催しています。
橋爪さんは福岡県のお茶の産地、八女にて急須をはじめとした茶器を作陶されています。
淀屋橋での企画展は今回が初めてです。

初日、2日目は八女茶くま園 園主の中谷一美さんが呈茶で迎えてくださいました。
お2人はお近所なのだそう。
茶摘みの時期は、一緒に作業することもあると話していらっしゃいました。
2人の関係性を見ているとお互いを尊敬し合い、良いものを作るために意見交換をしたりととても素敵な関係だと感じました。
スタッフも呈茶を体験させていただいたのでその様子をご紹介していきます。


テーブルに並んだ橋爪さんの茶器と素敵な着物姿にうっとり。

はじめに白湯でおもてなしていただきました。
白湯の中には橋爪さんが八女から持ってきた梅がふわりと浮かんでいました。香りがよくほんのりと甘くて、八女の風景が浮かんでくるようでした。
中谷さんは美しい花を見つけるとどんな味がするのか想像して試してみたくなるそうです。


白磁の茶杯に淹れると新緑を連想させるような美しい緑が際立ちます。
玉露を一煎目から三煎目までいただいたのですが、一煎目はとろんとしていてとにかく甘い。二煎目、三煎目は茶菓子とよく合う。
一煎ずつで味に大きな変化が生まれることに衝撃を受けました。
お茶は飲むだけではなく、ボーフラと涼炉から聞こえてくる音や急須からお茶を注ぐ音、中谷さんの1つひとつが丁寧で美しい所作などいただくまでの過程にも楽しみが溢れていることを今回体験させていただいて感じました。
ゆっくりと流れていく時間に自然と心がほぐれていき、コース料理を振舞ってもらっているようなとても贅沢な時間でした。
お客様からは「お茶ってこんなに美味しかったんだ!」「自分でもやってみようと思いました。」などお茶の時間を通して以前よりもお茶に対する関心や見え方が変わったと話されている方が多くいらっしゃいました。

呈茶の際にも使用していた橋爪さんの茶道具もご紹介しています。
今展で初めて作ったと話されていたボーフラと涼炉。
中国茶ではよく使われる道具のようですが、お茶をする時に自分で作った道具があったらと形にされたそうです。
涼炉は穴の大きさなどもこだわって作られなのだとか。
趣があり、湯を沸かす時間も安らぐひと時になりそうです。

使っている土は八女のもので、ご自身で山に取りに行くそうです。
お茶の生産で有名な星野村の池の山では、昔茶壷を作っていた場所がありその土を使用した作品も。

江戸末期にも使用していた土を現代へと落とし込んだ姿、薪窯で焼いたふたつとない表情も魅力的です。
いい土を見つけた時は、橋爪さんの目には原石のようにきらきらと見えるそうです。

この取っ手の木もご自身で山まで取りに行かれたそう。
お話を伺っていると八女の台地を心から愛し、作品作りに向き合っていらっしゃることが伝わってきました。
売れることは全く考えずに八女で生まれたのだから急須を作ろうと考え、1年で100個作ることを目標に制作されたことがあるそうです。
その頃は失敗もたくさんしたそうですが、100個作れたから自分にはできると確信に繋がるきっかけとなったと話されていました。
物腰のやわらかな印象と、とてもストイックで熱い一面もお見受けできました。

どの急須でもおいしくいただけますが、高さの低い急須は玉露や煎茶、高さのあるものは紅茶やほうじ茶に向いていると教えてくださいました。
焼しめはお茶の雑味を吸収してくれる理由から選んでいらっしゃるそうです。
橋爪さんの急須でいただくととてもまろやかな味わいになります。
お茶をおいしく飲むために、また使い手がおいしく心地良くお茶の時間を過ごせるようにと持ち手の太さや大きさ1つひとつにこだわりを感じます。
独りよがりにならず、中谷さんも含めて使った方の意見をもとに作品作りに向き合っていらっしゃるそうです。
お話しを伺っていても、「お茶の力って凄いんです!」とお茶への思いや大好きがひしひしと伝わってきました。

今回お2人に知らなかったお茶の魅力もたくさん教えていただきました。
お客様にもぜひ橋爪さんの作品で八女茶くま園さんの八女茶を堪能していただきたいです。
会期は23日まで。


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橋爪さんにお伺いしたお茶をおいしく淹れる時に必要なこと
・茶葉の量
・お湯の量
・お湯の温度
・時間

この4点だけを気にしながら、中谷さんがお茶を淹れる様子なども思い出して、自分でお茶を淹れてみました。

中谷さんからチョコレートはお茶によく合うとお聞きしたので、茶菓子はチョコレートに。
今まではお茶を飲むというとご飯を食べる時にしか淹れたことがなく、ご飯がメインなのでお茶は二の次で量や温度など気にしたり一煎ずつ淹れて飲むなんてことも一度もしたことがありませんでした。
実際にやってみるとほんの少しのひと手間で、自分でもおいしいお茶を淹れることができました。
チョコレートともよく合う。
急須は大きい方がいいと思って選びがちでしたが、200mlほど入る急須やポットの方が一煎ずつ楽しむにはちょうどいい大きさでした。
温度は測ったりしなくても湯冷ましに移せば何一つ手間ではなく、お茶を淹れるまでの過程までもが楽しい。
茶葉も喜んでくれているような気分になりました。丁寧にお茶と向き合い一息つく時間は心を解きほぐしてくれることも感じました。
お茶を淹れるとは奥が深く、どんどんお茶の魅力に引き込まれていきます。
次は花良治みかんが香るおぼろ紅茶を淹れてみようと思います。

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2月11日より淀屋橋では、橋爪香代展を開催します。
橋爪さんが活動拠点にしているのは福岡県でも有名なお茶の産地、八女。
自身もお茶の普及に力を入れており、橋爪さんの急須でいれるお茶はとても美味しくなります。
初日11日(金)12日(土)は、橋爪さんのうつわで八女茶をお楽しみいただけます。
八女茶くま園の園主、中谷一美さんが淹れるお茶で茶処、八女をご体感ください。
会期中、茶葉の販売もいたします。
どんな茶葉が好みか、茶葉に合う淹れ方なども中谷さんにご相談しながら橋爪さんの茶道具と共に見つけていただけたらと思います。


橋爪香代展
作家在廊:11(金)・12(土)
2022.2.11(金)-23(水)

15(火)、22(火)は定休日のためお休みです。

コホロ淀屋橋