「川口武亮展」2022.6.3(金)-13(月)

6月13()まで淀屋橋にて川口武亮展を開催しています。
淀屋橋での開催は約2年ぶり。
初日は川口さんが在廊してくださり、お知り合いの方やお客様に優しく寄り添いながらお話しされやさしいあたたかな空気が流れていました。
川口さんは佐賀県有田町にて轆轤や手びねりで作陶されています。
以前は粉引きを主に作っていらっしゃいましたが、自分と向き合った時に自分の作りたいものをもっと作りたいと思うようになったのだそうです。
釉薬の作品をもっと表現したいと思いたくさんの釉薬を調合して作ってきたのだとか。
お自身で藁を燃やして灰を作ったり自然釉を使った作品は、一つひとつの表情が楽しい作品ばかりです。
今は自分のやりたいことを始められているとお話しされていた川口さん。
そのやりたいことの一つが花器の制作。
今回の展示会では、花に込める思いを感じる花器をたくさんご紹介しています。


二子玉川のお店の花をお願いしたり、毎年カレンダーをご紹介したりと繋がりのあるdoux.ceさん。
初日には関西で活動されているdoux.ceの荒石典子さんに季節の草花を生けていただきました。
今回は愛知県のお花を用意してくださり、四季を感じる様々なお花が作品に彩を添えてくれています。

マスク越しからも笑顔がわかるほど楽しそうに生けていらっしゃった荒石さん。
生けている時は「可愛いお花だなぁ。」などと花一つひとつに語り掛けるように生けていらっしゃるそうです。
イメージを含ませ花と対話しながら生けている姿、草木が根を張ってそこにあるかのように佇む景色に心動かされました。
花器と共に生けてくださったお花のご紹介も。

川口さんのご自宅の庭では、奥様と一緒にお花を育てているそうで四季を感じることに喜びを感じるのだそうです。
作った花器に奥様が育て生けたお花を眺めることがとても楽しいひと時なのだと話されていました。
花器を作る上で大切にされていることを伺うと
「土から花は育つので、土感を大切に作っています。艶っとした作品もいいですが、土っぽさが出ることを心掛けています。そこにあるように自然のままに見えたらいいなと思っています。」
花そのものをどう美しく魅せるか、そこが制作する上で一番大切にされているということを感じました。

こちらの花器は生け口が変形していますが花を生けた時に口径が広すぎると生けにくさを感じることも多いそうで、花が自然と生けられるようにこのような形に作られたのだとか。

(器:掛花入 花:左からシモツケソウ、紫陽花)
川口さんはお茶を習っていて、お茶をする際には床の間に飾る掛花入に花を生けて空間作りをするそうです。

(花器:黒錆面取掛花入(金具銅製) 花:
都忘れ(ミヤコワスレ))
お茶をされない方にも日常に落とし込んで使えるように作られた掛花入は、壁に飾るだけでなく置いても楽しめます。

(花器:錆化粧丸花器() 花:カワラナデシコ)
石から花が咲いているようにイメージして作られたそうです。
手びねりで作っているので歪みなどあたたかみも感じます。

(器:
黄灰窯変楕円大鉢 花:ミマユヤナギ)
これからももっと花器を作っていきたいと話されていた川口さん。
育てた花を見ているとこんな花器に生けてあげたいなとイメージが自然と湧いてくるのだそうです。
花がバランスよく美しく見えるように、生けた人が生けやすいように、花のことを第一に思い作られた作品は花も喜んでいるように見えてきます。
荒石さんが花を生けた後、自然と花たちは花器にすっと吸い込まれるように穏やかに馴染んでいったと話されていました。
川口さんの作品に対する思いが作品から荒石さんにも伝わっていました。

(花器:
錆化粧雫花入 花:鉄線)
自分の花器が一人でも多くの方に花を生けることの楽しさへのきっかけになればいいと川口さん。
9
月には二子玉川へと続く企画展。
3
か月後また花を思い作られた花器に出合えることが今からとても楽しみです。
お家で過ごす時間、お店のディスプレイなど花器のある時間を、空間を楽しんでいただきたいです。
生けてくださった美しい季節の草花とともにお楽しみください。

(花器:黒釉窯変花器 花:紫陽花)

(花器:錆化粧丸花器 草花:小判草を。)


花器の他にもぐい吞みや片口、フリーカップや平皿などもございます。
この機会にぜひ実際にお手に取ってご覧ください。
会期は13日(月)まで。

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淀屋橋では6月3日(金)より川口武亮展を開催いたします。
花を飾り、活けることを普段から楽しまれる川口さん。
今回のDMのお花も川口さんの奥さまが生けられたものです。
そんな川口さんの様子からいつも季節のお便りをもらっているように感じていました。

6月の大阪から9月の東京へと続く川口武亮展。
今回は花器を中心に作品をお願いしました。
各展示の初日にはdoux.ceさんが花を生けてくださいます。
季節の草花と共に作品をお楽しみください。

川口武亮展
2022.6.3(金)-13(月)
作家在廊4(土)
コホロ淀屋橋
7日(火)は定休日のためお休みです。