淀屋橋では4月1日(土)より山田憲栄展を開催しています。
京都で制作されている鍛金作家の山田さん。写真は初日の店内の様子です。
初日は山田さんも在廊してくださいました。
以前に京都にある山田さんの工房へ訪れたことがあるという方から初めてという方まで、たくさんの方が山田さんに会いに来てくださり、和気あいあいと過ごされている風景が数多く見られました。
新作のカトラリーや輪花皿、可愛らしい豆皿や定番のブローチなどたくさんの作品がずらりと並ぶ店内。
ぱっと明るく華やいだ空間となり、自然と胸が沸き立ちます。
今回の展示では、今までにないほどたくさんの種類のカトラリーを届けてくださった山田さん。
柄の長さやサイズ、素材の違いなど、豊富に揃いました。
食事のとき、デザートを楽しみたいとき、どのシーンでどのかたちを使おうか考えるだけでわくわくします。
陶器、ガラス、木の器、色々な素材との組み合わせもお楽しみください。
韓国でビビンバなどを食べる時に使われる柄の長いスプーン“スッカラ”。
ちょっと馴染みのない日本の方にも使いやすいように、サイズを少し小さめに作られているのだと教えて下さいました。
見た目の美しさだけでなく、手に取ったときの心地よさなど、細部まで山田さんの気遣いが感じられるようです。
しっかりとくっつけられたカトラリーのすくう部分と持ち手の部分。
ここは接着剤ではなく、ろう付けという手法で700℃のバーナーで接合されています。
そうすることで固着後に金属同士がより強く接合されるのだそう。
すらりと細い柄は華奢で繊細な印象ですが、実はかなり頼もしいということを知りました。
叩きの細やかさが生み出す陰影が美しいレンゲやサーバー。
機械を使用せず、一工程ずつ手作業で制作をされる山田さん。
手打ちならではの、それぞれに味わいのある叩き跡からは温かさが感じられます。
家族で囲む食卓での取り分け用として、また具沢山のスープや炒飯にも。
今回お願いして作っていただいた新作のサーバーフォーク。
ありそうで無かった大きさと形のサーバーは、サラダやグラタンなど、ざっくりとたくさんの量を取り分けたい時に一気に運ぶことができます。
あまりの手取りの軽さに驚く方も多いお玉。大きすぎず小さすぎないちょうど良いサイズで、台所や食卓、様々な場面でご活用しそうです。
少し下がった角度の注ぎ口は、すくった時に液だれしないようにと考えられて制作されているのだそう。
ちょっとした心配りが嬉しく、毎日使いたくなります。
小ぶりなサイズが可愛らしい豆皿は、お知り合いの方からの「大福をのせるためのお皿を作ってほしい」というリクエストを受けて作られたのだとか。
小ぶりながらもきらりと存在感を放つ真鍮とアルミの豆皿。
大福などちょっと渋い和菓子も引き立ててくれそうです。
器としてだけでなく、指輪やピアスなど、アクセサリーをのせてディスプレイとしても。
在廊日にはブローチ作りのデモンストレーションをしてくださいました。
店内にはザクザクと糸のこぎりの音が心地よく響き、見る見る内に出来上がって行く様子を見る時間は、とても贅沢なものに。
この日は実際の写真をなぞって象られているという燕のブローチを作られていました。
ブローチの素材には真鍮や銅、洋白などをそれぞれモチーフによって細かく使い分けており、より精工な立体感のある仕上がりに。
制作には糸鋸の他、専用の鋏で形を切り、ヤスリ、火で焙り、金槌で打ち、全てが手作業となっています。
今回は新作の動物、パンダ、リス、キツネも届けてくださいました。
火で焼くと黒く変化するという洋白。パンダには全て洋白を使用し、色味に濃淡をつけられているのだそう。
細やかに表現された目元や毛並みなど、山田さんの丁寧なこだわりが垣間見えました。
暖かな春の陽気に包まれるこの頃。
柔らかな光を纏い、きらきらと優しく煌めく山田さんの作品が皆様を温かくお迎えします。
一つひとつ異なる表情、手に取ったときの心地よさ、至るところに散りばめられた山田さんの丁寧な手仕事。
是非店頭にてじっくりとご覧になってみてください。
会期は4月10日(月)まで。
皆様のお越しを心よりお待ちしております。
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4月1日(土)より京都にて制作されている山田憲栄さんの作品展が始まります。
オリジナルの金槌などを使って作られた作品は、時を経たようなアンティークを思わせる佇まい。
今回は、輪花皿や新作のカトラリーもお願いして作ってくださいました。 初日はブローチのデモンストレーションをしていただく予定です。
春のあたたかい日差しを浴びて、美しく煌びやかに輝く作品たちをどうぞ楽しみにしていてください。
山田憲栄展
2023.4.1(土)-10(月)
在廊日:1(土)
コホロ淀屋橋