コホロ淀屋橋では、9月30日より八木橋昇展を開催しています。
写真は初日の店内の様子。
一日在廊してくださった八木橋さん。
お客様ひとり一人に丁寧にご挨拶をされ、和やかな空気が終始流れていました。
滋賀県の信楽にて器をつくる八木橋さん。
粉引、鉄飴、黒釉、呉須を使用したものなど、秋の味覚を載せて楽しめそうな作品がたくさん届いています。
八木橋さんの作品は、すべて蹴轆轤(けろくろ)を使用し作られています。
「体を使って作ることが好きなんです。そうやって出来上がったものに、良さを感じます」
自身で調合されているという土は足を使ってこねてから、ひも状に伸ばしたものを更に踏み、さらに伸ばしてを何度も繰り返し、やっと土台となる土が出来上がります。
また成形や装飾も全て自分の手で作られるのだとか。
波打つひだが愛らしいフリル皿や輪花豆鉢も、指で縁を一つずつ象られています。
こちらは今回の新作の楕円小鉢。
最初に丸い形を作り、全体をてのひらで包み楕円に変形させ作られています。
柔らかくゆったりとしたシルエットに温もりのある土の風合いが感じられます。
一つひとつが手作業だからこそ生まれる個性のある形が素敵です。
黒呉須の楕円小鉢4寸に無花果のサラダを。
深みのある青が食材を自然に引き立たせてくれます。
こちらも新作の6寸、7寸の茶釉広皿と鉄飴広皿。
引き締まったリム縁と、柔らかみのあるクリーム色とのコントラストが際立つ茶釉広皿。
鉄飴を使用した、釉薬の流れ落ちる姿が美しい鉄飴広皿。
紅葉を思わせるような奥行のある色合いです。
これからの季節に活躍してくれそうな耐熱の器もたくさん届けてくださいました。
定番の渋青や渋茶を使用したシンプルながら味わいのあるグラタン皿やシチュー鍋。
耐熱のカトラリースタンドは底に湿気が溜まらないよう工夫されています。
取っ手がつかみやすく、安定感がありながらも驚くほど軽いミルクパン。
ココアやミルクティ、スープなど、思いついた時にさっと温めることができます。
「信楽で器を作り始めてもう30年以上になります」と感慨深げにお話されていた八木橋さん。
器作りを始められたきっかけについてお伺いすると、昔下宿していた先が窯元だったということもあり、土が手に入りやすい環境だったとか。
初めは壺などの美術品を作られていた時期もありましたが、自分で使うためのお皿を作り始め、少しずつ形になっていったといいます。
「最初はかなり無骨で、男らしい器でした。自分で使うためだけのものを作っていましたからね。」
そう微笑みながら、懐かしむように話される姿が印象的でした。
美術大学にでは絵を描かれていたこともあり、その時の経験も活かしながら日々作品のイメージを膨らませたことも今に繋がっていると思う、とも。
使い手へしっかりと寄り添った心地の良いデザインと、どこか懐かしさを覚える温かな作品の数々。
感謝の気持ちを伝えることを忘ることなく、作品やお客様一人一人と向き合う八木橋さんだからこそ生まれる特別な魅力なのだと感じます。
少しずつ葉が色をつけはじめ、季節の移り変わりを感じられるようになってきました。
実りの秋の訪れを八木橋さんの器と共にゆっくりとお楽しみください。
会期は10月9日(月)まで。
後日オンラインショップでのご紹介も予定しております。
八木橋昇展
2023.9.30(土)ー10.9(月)
11:00-18:00
コホロ淀屋橋
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淀屋橋にて9月30日(土)より、滋賀県信楽にて作陶されている八木橋昇さんによる作品展が始まります。
八木橋さんは、轆轤版盤のまわりを蹴って回転させる蹴轆轤(けろくろ)という朝鮮から古くから伝わる手法で作陶されています。
作る度「土は美しい。」と土を大切に思い、じっくりと対話することで作り出される器たちは、あたたかさや包容力があります。
味わい深い魅力で溢れる作品をどうぞお楽しみください。
八木橋昇展
2023.9.30(土)ー10.9(月)
作家在廊:30(土)
コホロ淀屋橋
定休日:10.3(火)