7月5日(金)から始まった須田二郎展は、15日(月)が最終日となります。
樹齢70年のカシやサクラでつくられたボール、皿、カトラリーや花器などが並びました。
▲力強い木目が印象的なサクラの深皿
▲(左)様々な用途に合わせて作られた調理道具やカトラリー。
ゴロゴロとしたものを混ぜる時に抵抗が少なくなるよう穴を空けたヘラ、
サーバーとしても使えるスプーン型のヘラなど。
(右)虫食いの跡をデザインに取り込んだ穴あきツボ。一つをわずか30分で作り上げるそう!
▲漆で仕上げた大小さまざまな器
漆の器について、須田さんが書いてくださった紹介文の一部をご紹介します。
「昭和30年代まで神奈川県最北の地 藤野では、
毎年1回ろくろ師がろくろを担いでやってきて、
村人がそこいらの木を切ってきて、縄を引っ張りろくろを回し、
ろくろ師が削ってうつわを作り、
村人が自分でとってきた漆を塗って食器にしていました。
当時は布も貴重で、布でふいたりせず手ですり込んで終わりだったそう。」
古くから生活に溶け込んできた、おおらかな漆器に素朴な美を見つけ、
須田さん自身もゴム手袋をはめて、手で漆を塗っています。
須田さんの作品に使われている木は、主に荒れ果てた雑木林や宅地造成のために切らざるを得なかったもの。
元々木こりだった須田さんは、木の器を通じて日本の森を甦らせたいという思いで制作されています。
“一銭にもならない”と打ち捨てられた木は、新たな命を吹き込まれたように生き生きとしています。
完売したものも多く、店頭の作品は残り僅かとなりましたが、
作品の背景も含め、木を感じ、自然を想う時間を過ごしていただけたら嬉しいです。
須田二郎展
7/15(月)まで