「水垣千悦展」2024.2.3(土)ー12(月)

淀屋橋にて、2月3日より水垣千悦展を開催しております。
写真は初日の店内の様子。


呉須によって描かれた爽やかな染付に、清廉とした白磁、趣深さのある鉄釉、刷毛目など店内には様々な作品が立ち並び、それぞれが独自の空気を持ちながら、同じ時と場に在るからこそ生まれる静謐な美しさのある空間に。


今展では、水垣さんが以前から作ってみたいとお話されていた大鉢もご紹介しています。
浅鉢から中鉢、大鉢まで一点一点で異なる表情に味わいのある作品が多彩に並びました。

歪さのある形と晴れやかな白が目を惹く瓦当文陽刻鉢。
「長楽未央(ちょうらくびおう)」という言葉が瓦当文様という文字で刻まれており、「長く続いてきた楽しみは尽きることがない」という意味があるのだとか。
縁がくるりと巻かれた鉄釉巻口深鉢に、 仄かに灰をかぶった白磁大鉢。
それぞれが生み出す、大らかに、美しく広がる景色たち。


どこか花のような可憐さを感じる大鉢も。
鉄釉ならではの濃度のある深みと、艶やかな光沢に魅了されます。


一輪挿しから広口のもの、壺など、花器もたくさんの種類、形で届いています。


豊かな個性を放ちながらも、すっとその空間に馴染む水垣さんの花器。
生けた花をより美しい姿へと変貌させてくれるような、不思議な力を感じます。

染付では呉須の青のイメージが強い水垣さんですが、鮮やかな色合いが新鮮な作品も。
さらりと引かれた線からは、水垣さんの気まぐれのような、ふと描いてみたかのような、様々な想像が尽きません。

昔の順恵器(すえき)という土器と同じ方法で作られたという「黒陶 壺 中」。
釉薬をかけずに窯に入れ、木や葉を目いっぱい炊き込んだ煙で窯の中の酸素を奪い、そこから起こる化学反応を利用し黒く焼成しているのだそう。
端正で落ち着きのある佇まいには古美術品のような品格を感じさせます。


昔の落雁(らくがん)型を使用し、何か詰めてみたいと思い立ち作られたという「亀福」。
中国などでは、永く川の中で生きる亀には自然と藻が付き、長寿を象徴する縁起物として伝わっているといいます。

まるで水の中を泳いでいるかのように、フサフサと揺れる藻の部分が美しく、「そのままでは少し寂しかったので」と、呉須で描いた「福」の字が魅力をさらに引き立たせます。

初日が二月三日ということで、節分に因み「福」が描かれた染付のお皿も。
見込みにうっすらと現れるのは、砂高台を重ねた跡である「目跡」。

同じ白磁でも、つるりと瑞々しい姿や、触れ心地の優しいさらりとした質感のものなど、それぞれで異なる魅力を引き出し、私たちを和ませてくれる水垣さん。

水垣さんの生み出す、凝り固まった気持ちがほぐれるような、ちょっとしたユニークさと安らぎを感じさせてくれる作品の数々を、是非お手に取って心行くまでご堪能ください。

会期は2月12日(月)まで。
オンラインショップでのご紹介も予定しております。
そちらもお楽しみに。
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淀屋橋にて2月3日(土)より、大分県にて作陶されている水垣千悦さんの作品展が始まります。
白磁や染付、三島など、様々な技法で作られる水垣さん。
静かな空気を纏ながらも、薪窯で焼いてできる、灰が降り注ぐ景色や自然の力強さと味わい深い趣を感じます。
今展では、遊び心溢れる染付を中心に届けてくださる予定です。
楚々とした佇まいの作品をどうぞお楽しみください。

水垣千悦 展
2024.2.3(土)ー12(月)
6(火)定休
コホロ淀屋橋
11:00-18:00