温かい汁物や料理の印象が強い漆の器ですが、
冷たいものは冷たいままに温度を一定に保つ効果や、軽やかな使い心地で手に取りやすかったりと、夏の食卓とも相性がよいのです。
実際どんなものを入れるの?お店でもよく質問をいただくので、夏におすすめの漆器の使い方をご紹介します。
作品一覧はこちら≫
■夏こそお味噌汁を。
暑くなってくると台所に立つのも億劫になり、つい冷たい料理や簡単なもので済ませがち。
そんなときこそ、お味噌汁さえあればという気持ちになります。
お味噌汁は懐深く、何を入れても美味しくなるので、冷蔵庫の中にある季節の野菜やたんぱく源、その時の身体に合ったものを入れて。
冷房で冷えた体も温まり、元気がない時や料理をしたくない時でも、塩分や栄養補給に。

定番で紹介している汁椀は4種類。
汁椀はこちら≫

(左から、仙才汁椀、まり汁椀、渕布汁椀、羽反汁椀)
■具だくさんの汁物や、この時期は冷や汁に。
普通の汁椀よりも少し大きい多用椀。
その名前の通り、豚汁などのたっぷりの汁物やごはんもの、ちょっとしたお蕎麦など、いつもの汁椀だと少し小さいかなという時に便利な大きさです。
この時期におすすめなのが「即席冷や汁」。
ボウルの中で潰したしらすや魚の缶詰、冷たいお出汁やお豆腐を入れて、お味噌を溶いてからすりごまや薬味をたっぷり乗せれば出来上がり。
アジの干物などをほぐしたり、すり鉢で潰して作るのが本来の作り方ですが、これなら時間が無い時にも簡単に作れます。

ごはんものに重宝するれんげを添えて。
掬う部分が広く、優しい口当たり。スタッフの愛用者も多いです。
くりぬきならではの素材感が感じられる渕布多用椀や刷毛多用椀に、
軽やかな合鹿椀や4.5寸多用椀。
好みのかたちを見つけてみてください。
多用椀はこちら≫

(左から、刷毛多用椀、渕布多用椀、合鹿碗、4.5寸多用椀)
■冷たい麺料理にたっぷりサイズの丼。
そうめんや、お蕎麦、うどんなど、夏は手軽で食卓に登場する回数も増える麺料理。
コホロで紹介している漆器の中で一番大きい5.5寸丼は、たくさん具材を乗せてもまだ余裕のある頼もしい大きさ。
たっぷりのお汁や具材が入っていても軽くて反り返しのある形が持ちやすく、子どもも安心して使えます。

5.5寸丼はこちら≫



▲(上から)仙才汁椀、刷毛多用椀、5.5寸丼
■山岸さんの漆器
コホロでは開店当初から長く紹介している山岸厚夫さんの漆器。
漆器を日常で使ってほしいという思いでつくられ、刷毛目を残した塗りで傷も目立ちにくく、長く使うと良い色つやに変わっていきます。

▲数年使用しているスタッフの汁椀。少しずつ明るい色に変化していっています。
使い心地の良さにスタッフやお客様からも愛されていて、いくつも山岸さんの漆器をお持ちの方も。

塗り直しもできるので、長く使ってお直しに。
ぴかぴかになって戻ってきます。
漆器についてのおはなし「コホロの道具箱」はこちら≫
■陶器や硝子の器と合わせて
暑い季節は素材感のある組み合わせも。
重厚感のある漆にガラスや陶器を合わるだけで、器選びが上手になったような気分に。

一年を通して使いたくなる山岸さんの漆器。
これから本格的な暑さが続きますが、漆の器で夏の食卓をお楽しみください。