20日(金)より、有永浩太展が始まりました。
アンバーやスミなど落ち着いた色合いのガラスや、ウスベニやクリア、藍など華やかな印象の作品が並び、店内に深く静かで心地よい空気が流れています。
現在は石川県の能登を拠点に制作をされている有永さん。周りには漆の作家も多く、まったく違う素材の作り方に影響を受けることもあるとお話されていました。
手に取った時の軽さや使い心地を考え、厚みや形を決めているそうです。
グラスやボウル、それぞれを手に取ると自然に使うイメージできるのは、
器を使う人や場面に思いを寄せることを、日々とても大切にしているからだと思います。
▲在廊中の有永さん
KOHOROに初めて届いた有永さんの作品はコップでした。
お店でお茶を出したときの使い心地を覚えていてくださり、今回探しに来てくださった方も。
口当たりが薄く、ふわっと軽い持ち心地ながら丈夫で日常にとても使いやすい有永さんのコップやグラス。
今回は、タンブラーやコップ、ワイングラスやビアグラス、スパークリングなど、お酒にも楽しみたい形がたくさん届いています。
定番のコップやタンブラーは大中小の3サイズ。
お水や、ワイン、シロップ、果実酢のジュースなど、注ぐものの色を楽しみながら、毎日使いに重宝します。
コースターと合わせてお客様へのお茶にも。深いスミの色が、テーブルの空気を引き締めてくれます。
▲普段づかいにちょうど良い大きさ、容量200mlほどの中サイズ。
冷えたビールを注いで楽しむビアグラス。アイスコーヒーもおすすめですと有永さんが教えてくれました。
スパークリングワインのグラスは、お料理屋さんに頼まれたという新作。立ち上がる泡がとてもきれいに見えます。ウスベニというこの色は、ピンク色をずっと考えていたイメージが出来上がったもの。華やかですが淡く、他の器との相性も良い色合いです。
泡が並ぶようにころんと丸いシルエットのバブルワイングラス。回して香りも楽しめるよう、大きく安定した作りになっています。とびきりのワインを楽しんだり、夜のお酒だけの贅沢な時間にも。
同じ名前のバブルカップは、ロックで楽しむお酒や、ブランデーに。透明度の高いクリアなガラスが中をとても鮮明に見せてくれます。
毎日のごはんと楽しむ気軽な一杯には、器の色とワインの色が深い重なりとなるアンバーのワイングラスを。程よい高さで持ちやすく、幅広く使える形です。
グラスに合わせるボトル、ピッチャーや水差し。花器として花を飾っても美しく引き立ててくれます。
ボトルは水切れも考えて作られ、蓋に和紙などを巻くことで密閉性を高めることができます。実用性に優れながら、シルエットの見事さ、見ているだけで満たされていくような姿です。
休みの日のお昼から、秋の夜長にゆっくりと。好きなお酒とぴったりの器を選んでいただけたら、想像するだけでとても楽しいです。
プレートのように飾り付けたり、グラスを並べて使ったり幅広い用途で使うことができるフラットなお皿。
縁どりがあり持ちやすく、広く平らなつくりで盛り付けるものに立体感が生まれます。29cmほど直径のある平皿盆は、ブルーやクリア、アンバー、スミと色の5色。
▲平皿盆にフリーカップを合わせて。前菜やおつまみなど楽しく盛りつけられます。
▲盛り付けるものを美しくに見せるリム皿(アンバー)
深さのあるスミ色のボウルは大小2種類。グレーの色合いは組み合わせるもので深く、淡くと表情を変えます。
小さいサイズはグラノーラや冷たいスープ。大きいサイズはたっぷりのサラダや、花器としても。
足を付けているアンバー。
器の色によって形を変え、色と料理のより良いバランスを考えて作られています。
縁や足があることで持ち運びもしやすく、陶器や木のもの、他の素材にも自然に馴染む有永さんのガラスの器。いつもの食卓に取り入れ、季節を問わずにガラスを楽しむことで、料理を飾る選択肢が広がっていきます。
今回の展示では、羅布文という名前のついた作品も並びます。
羅布とは、うすぎぬのこと。糸を取り出すようにガラスを伸ばし、撚糸のように束を重ね、面で覆い模様にするベネチアングラスの伝統的な技法を用いながら、有永さんの作品には更に細く、絹糸を織り込んだように細かく美しい模様が漂っています。
▲気品があり、グラデーションのような鮮やかな藍色が映える羅布文碗
有永さんが作り出すものは幅広く、美術品のような姿や、日常に溶け込むシンプルな形まで、使うとき、触れるとき、いつでも私たちを驚かせ、心を躍らせてくれます。
使いやすい日々の器であり、特別な日を彩る華やかな表情も併せ持つ作品。ぜひ実際に手に取り味わっていただきたいです。
有永浩太展
2019.9.20(金)-29(日)
会期中無休