11月14日(月)まで、淀屋橋では「山岸厚夫展」を開催しています。
19日(土)からの二子玉川へと続く巡回展です。
福井県の鯖江市にて、気軽に使える漆器をという思いから制作されている山岸さん。
今回の展示会では、かなまりの作品を中心にハレの日にも使いたいお椀や一点もののお盆、和紙漆など届けてくださいました。
展示会ならではの作品もたくさん届いています。
越前和紙に色漆、柿渋を塗って作られた漆和紙が、圧巻の店内。
躍動感ある作品からは、厚夫さんの手から伝わる力強さを感じます。
カフェご利用のお客様も、絵を見ながらカフェ時間を楽しんでいらっしゃいます。
5日、6日には山岸芳次さんも在廊してくださり、漆や素材の話を詳しく丁寧に教えてくださいました。お客様と楽しそうにお話しされる芳次さんの笑い声で店内は明るくあたたかな空気に包まれていました。
今回大きさ、形とたくさんの種類を送ってくださったかなまり。
かなまりとは、ステンレス素材に漆を塗った作品です。
一見他の漆の作品と見分けがつきませんが、触れてみるとその違いに気が付きます。
2重ステンレス構造なので、高い保温性・保冷性があり、あたたかい料理はあたたかく、冷たい料理は結露せずおいしくいただけます。
これからの季節は、料理が冷めやすいので長くあたたかく食べれるのは嬉しいです。
かなまりを作るきっかけは、木はどうしても永く使い続けると欠けてしてしまうことがあるので、もっと丈夫な素材はないのか、親から子へと永く使い続けてもらえるようなものを作りたいという思いから誕生しました。
漆器といえば木というイメージがあるので、そこを越えていく山岸さんの着眼点には驚かされます。
ステンレスは割れる心配がないので、土台のステンレスを修理する必要もなく漆を塗り直しすれば、何世代にも渡って使い続けることができます。
落としても割れる心配がないので、お子様の汁椀用としてもおすすめ。
かなまり さら Lは、傷がつきやすい外側は刷毛目を残していますが、内側は洗いやすいようと刷毛目をあえて残さずに作られています。
使い手の思いを作品に反映していて、山岸さんの思いやりを感じる作品です。家族の集まりも増える年末年始には、ちらし寿司やサラダ、パスタ等を盛っても。
欅の木をくり抜いた「くり抜き」の作品は、企画展ならではの作品も届けてくださっています。
くり抜きは木の厚みを感じることができ、熱い汁ものを入れても、温度が手に伝わりにくいのが特徴です。
力強さを感じる「粗挽き汁椀」と「荒挽合鹿椀」。
木を削って表現した表面の凹凸がすべりどめの役目もはたし、内側は円を描いた表情が楽しい作品です。
外側が根来、内側が曙の作品は、今回の新作。
外側の根来と内側の曙の両方の変化を楽しむことができます。
塗ってみたい、面白そうだと思うものから形を探しこの二つを選ばれたのだそう。
渕布多用椀は、厚みのある縁部分まで赤を塗っているところが色のメリハリがより感じられる面白さがあります。
羽反椀 黒は、完全樹脂製の作品。
かなまりと同じで見た目には全くわかりません。
樹脂製のため驚くほどの軽さ。
乾燥で木が反ったり割れたりすることがないので取り扱いも簡単です。
お箸やスプーン、しゃもじなどのカトラリー類もご覧いただけます。
布張りスプーンは持ち手の部分に布がまかれており、よく見るとうっすら布の柄が出ているものも。
口当たりのよいスプーンは、おじややカレーを食べるときにも重宝します。
毎日使うお箸は、漆の色や艶の変化を感じていただきやすい作品の一つ。
お箸は全種類届けてくださっているので、長さや持ちやすさなども実際にお試しください。
山岸さんの作品は、丈夫で使いやすく日常になくてはならない存在。
10年近く使っているというお客様もいらっしゃったりと、たくさんの方に愛され続けていることを感じます。
次世代に渡って使い続けられるようにと時代とともに新しいものにも挑戦されたり、これまで受け継がれていたものも大切にしながら変化や挑戦はこれからもし続けたいと芳次さん。
厚夫さんから芳次さんへと受け継がれていく錦壽。
これからも厚夫さんの手から生みだされていく作品と芳次さんの挑戦が楽しみです。
漆は「生きている塗料」と呼ばれ、色も艶も変化していきます。気兼ねなく普段使いしやすい山岸さんの漆器から、漆の美しさや、漆器と永く付き合う楽しみをぜひ味わっていただきたいです。
漆器を作る時に使う色漆や生漆も展示期間中ご覧いただけます。
中々漆は見る機会はないと思うので、ぜひ実際に見にいらしていただきたいです。
淀屋橋での企画展の会期は11月14日(月)まで。
重箱の受注の受付も店頭・オンラインショップともに14日(月)までです。
11月19日(土)からは二子玉川での企画展が始まります。
初日19日(土)15時~、20日(日)17時頃まで 厚夫さんと奥様の敏子さんが在廊してくださいます。
どうぞお楽しみに。
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淀屋橋では11月3日(木)より山岸厚夫展を開催いたします。
汁椀やれんげなどお店にはいつも作品が並ぶ山岸さんですが、年末の作品展ではこの時期ならではの作品も数多く並びます。
大きめのお椀や、お盆に酒器、新しい年の始まりには山岸さんの器が欠かせません。
たくさんの人が集まり賑やかで晴れやかな年迎えが出来ることを心待ちにしながら、山岸さんの器をお迎えください。
山岸厚夫展
2022.11.3(木)-14(月)
作家在廊:5(土)、6(日)
コホロ淀屋橋
8(火)は定休日のためお休みです。