8月22日(土)から開催中の有永浩太展。
作品展ページにて有永さんの作品を紹介しましたが、今回は新たなgazeシリーズ「netz」の花器についてご紹介いたします。
こちらの花器はコホロのお店に合わせて届けてくださいました。
あまり花器を作ってこなかったと仰る有永さんですが、最近少しずつ制作されているそうです。
まるでガラスの中にガーゼが入っているように、同じガラスで作られた細く美しい線が広がる作品。
2月に行ったクラゲの子展でご紹介した「羅布文鉢」と同じ、イタリアのレースガラスの技法をもとに作られています。
有永さんの高い技術で驚くほどの細やかな線が集められ、素材はガラスですがガーゼのようにふわっと軽やかで繊細な表情が浮かびます。
「繊維が絡まりながら、空気を捕え、形に留めるような器」
ガラスの中に空間を感じ、ただ在る姿にも心惹かれる器です。
有永さんの表現、高い技術と時間がこの美しい模様に詰まっています。
「netz」とは「網」という意味を持ちます。
絡まりあった糸が空間を包み込むイメージ。
ベネチアの伝統的なレースグラス技法をもとに、独自に創作されたものです。
ガラスの中にガーゼが入っているように見えますが、全てガラスで作られた線だとは驚きでした。
見る角度によって線の見え方が異なり、ずっと見ていて飽きないほど心を奪われます。
ガラスを棒状にしたものを輪切りにして制作されているそうですが、線が見えないほどレースの密度を高めて作ることはとても手間も時間もかかるのだそうです。
密度を高めて作ることは、誰しもができるものではありません。
有永さんだから技術を超越した繊細で表現を魅せることができるのだと感じます。
さっくりと編まれたネットがまるで花を包みこんでいるかのようです。
色は白と墨の2種類。
△netz白シリーズ。背が低い花器には短く切ったアジサイなど大ぶりな花の一輪挿しとしてもおすすめです。
飾る植物を包み込むようなやわらかさと明るさを感じます。
△こちらはnetz黒シリーズ。
和を感じる植物とも相性がとても良く、黒、白、木、合わせる色や空間によって違う凛とした表情を見せてくれます。
△水を入れるとレンズのようになり、見え方が変わります。
繊維が絡まりはまるで本物のレースのよう。
△夜の店内で撮影した様子。
まるで水面に光に当たったようにゆらゆらと今にも動きだしそうな影。
ずっと眺めていたくなります。
家族との食事や大切な人と過ごす時間に、テーブルの上や部屋の片隅に有永さんの花器にお花を添えると日々の日常が、特別な時間や空間にしてくれそうです。
30日(日)までコホロ淀屋橋店にて開催中です。
ぜひ実際にお手に取って有永さんの巧みな技術で作られた繊細で美しい作品をご覧ください。
有永浩太展
コホロ淀屋橋店
2020.8.22(土)-30日(日)
Meetdish
2020.8.22(土)-29日(土)
会期中無休
※2店舗の会期が異なります。ご注意ください。