「山岸厚夫展」2023.10.21(土)-30(月)

二子玉川にて10月21日(土)より山岸厚夫展を開催しています。
初日と2日目は厚夫さんと奥さまの敏子さんが来て下さり、にぎやかな笑い声が溢れ温かい空気に包まれました。写真は初日の店内の様子。


今回はお二人の在廊時に漆のワークショップを開催しました。
体験いただくのは、漆器を作るいくつもの工程の中のひとつ、“研ぎ出し”。
塗り重ねられた漆を、お好みの色になるまでご自身で紙やすりを使い擦ります。

▽今回体験していただいた汁椀。左から渕汁椀大、渕汁椀中、刷毛汁椀

▽箸やスプーンなどカトラリーもお選びいただけます。

▽曙の汁椀を選ばれた方。下地の根来の表情をどのくらい覗かせるか、じっくり丁寧に取り組んでくださいました。

▽左が研ぎ出す前、右が一部研ぎ出したもの。雰囲気ががらりと変わります。


研ぎ出した作品を山岸さんの元で仕上げて約3週間ほどで完成です。

淀屋橋のお店では11月3日(金)にワークショップを開催します。まだ予約に空きがありますのでご興味ある方は淀屋橋のお店までお問い合わせください。

▽色とりどりの馬上杯/片口(小)
コホロが始まった当時からお付き合いのある山岸さんですが、今展では今までお店に並んだことの無い作品や、一点もの作品も多く届けてくださいました。


▽箱膳
まだ机と椅子で食事をする習慣がなかった頃に使われていた箱の形をしたお膳。
一人ひとつこの箱を持ち、食事の際は蓋をひっくり返しお盆のようにして器を広げます。

食事が終わったら引き出しに器を収納します。敏子さんの実家では、食事のとき以外は家族全員の箱を重ねて置いていたそうです。作品を通して、生活様式の移り変わりや、昔の方の知恵を知ることができとても嬉しくなりました。


▽荒挽椀
器の生地のデザインをご自身で手掛ける山岸さん。力強さのあるこの椀の生地はもう作られないものなのだそう。
躍動感溢れる荒挽椀に、刷毛目の塗りが合わさり唯一無二の存在感があります。

▽荒挽 豪快椀
厚夫さんが今展で一番気に入っているという椀。

8年前にご病気で右手がうまく使えなくなってしまい、はじめは落ち込む日々が続いたそうですが、片手でも表現ができることに気づき現在は左手を使って製作に取り組まれています。
このお椀は左手だけで漆を10回も塗り重ね、何色も重ねることで、一言では表せない重厚さを感じられる作品です。


▽刷毛根来片口(大) サビ

こちらは仕上げに、本来下地に使う漆を豪快に塗った片口椀。
敏子さんが動かないようにしっかりと椀を押さえ、厚夫さんが左手にたっぷりと漆を付け、勢いよく塗ったのだそう。
「力いっぱい塗り付けるから部屋中に漆が飛び散るんですよ。」と優しく笑う敏子さん。厚夫さんの溢れるエネルギーが存分に込められています。

左から細口カレースプーン/カレースプーン大/デザートスプーン
はじめての漆器として選ぶ方も多い山岸さんの漆器。
あえて刷毛目を残して仕上げることで、傷が付きにくく毎日気兼ねなく使えるのが頼もしく、何十年も使い続けているという声もよく聞きます。
難しいお手入れはいらないので、どんどん使って育っていく姿をお楽しみください。


山中、輪島など、漆器の産地は多くありますが、山岸さんの制作の根源にある越前漆器は、料理の器として使いやすいのが特徴で、料亭や割烹でも重宝されているのだそう。
漆器というと少し渋い印象がありますが、山岸さんの刷毛目の漆器は気負わず毎日の暮らしに取り入れやすいのも魅力です。
洋風の器と合わせると全体を引き締めてくれる格好良さがあり、ガラスに添えると軽やかさな雰囲気になったり、幅広い表情を見せてくれます。
マグカップやトレーなど漆器をより身近に感じられるような作品も多く届いているので、ぜひお手に取ってお楽しみください。

▽8寸丸盆刷毛曙

▽小判トレー刷毛根来 ▽マグカップ刷毛曙

▽2段丸重

古く伝わるものを大切にしながら、数々の挑戦を積み重ねてきた山岸さんのものづくりの歴史や想いがぎっしりと詰まった今回の展示。山岸さんの作品をお使いの方、はじめて漆器を取り入れるという方、ぜひみなさんにご覧いただきたいです。
11月3日(金)からは淀屋橋での開催が始まります。オンラインショップでも順次作品をご紹介していきますのでこちらもお楽しみに。

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10月21日(土)より二子玉川にて山岸厚夫展を開催いたします。
コホロのスタッフやお客様の中にも、毎日の食卓で愛用している方ががたくさんいる山岸さんの漆器。
昨年好評だった内側と外側掛け分けの汁椀をはじめ、展示ならではの一点ものや定番のものまで幅広い作品が並ぶ予定です。
また今年は漆の手仕事を体験できるワークショップも開催します。こちらは事前予約制ですので詳しくはイベント詳細をご覧ください。

山岸厚夫展
2023.10.21(土)-30(月)
作家在廊、ワークショップ(事前予約制):21(土),22日
11:00-19:00
※21(土)は18:00までの営業
KOHORO二子玉川

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