「小林耶摩人展」2023.7.22(土)ー31(月)

7月22日より、淀屋橋では初の開催となる小林耶摩人展を開催しております。
今回は定番の作品を中心にたくさんの種類を届けてくださいました。
写真は初日の店内の様子。


茨城県笠間市で制作されている小林耶摩人さん。
古い骨董がお好きだという小林さんは、骨董の持つ渋みや雰囲気を表すために、鉄分の多い笠間の土を使用し表現されているのだそう。
まるで何年も使い込まれたような趣ある空気を残しながらも、その佇まいは静かで洗練された美しさです。


色味は主に灰釉、黒釉、粉引の三種類を使い分けられています。

深みのある緑とグレーがかった淡い茶色の色調が美しい灰釉は、釉薬がゆるやかに流れ落ちていく情景が目に浮かぶようです。

底に溜まった釉薬はそれぞれで異なる濃淡を纏い、また控えめながらもキラキラと繊細な輝きを放ちます。

こちらは黒釉。
焼き目のつき方で様々な表情を見せてくれる豊かな作品が揃います。
どんなお料理も美味しさを自然と惹き立ててくれそうです。

光の反射具合で変化する美しさを味わえるのも黒釉ならでは。

野菜の煮物をたっぷり盛り付けたり、夏本番には素麺や冷麺にも。

優し気な白とすっきりとしたシルエットとの対比が美しい粉引。
小林さんの粉引は還元焼成という方法で焼かれており、やや緑がかった鉄粉が器全体に点々と入っています。

今回は焼成の過程で何点かややピンクがかった粉引も生まれたのだとか。
窯の中で酸化気味に焼かれた部分があったため色味に変化が出たのだそう。
同じ土、同じ釉薬を使っていても、ここまでの違いが生まれるのだと驚かされました。

ひとつずつ見比べ、自分だけの一点を選ぶ楽しさも一段と感じられます。

また端正な形と持ち心地の良さでつい手に取りたくなるそばちょこも届けてくださっています。
食卓に並べるときりりした統一感が生まれ、均一に並び揃う姿は自然と背筋が伸びるようです。

どの作品も表面をやすりで仕上げられており、触れると少しざらりとした質感に。
また高台の部分などは手作業で丁寧に削られているのだそう。
細かな作業を積み上げていくことで、土の力強さと美しさを兼ね備えながらも、自然な品の良さを持つ作品になっているのだと感じられます。

小林さんの生み出す、ゆったりとおおらかな雰囲気を持ちながら、それぞれに浮かぶ異なる焼き目に個性が光る作品の数々。
是非お手に取ってじっくりとその風合いをお楽しみください。
会期は31日まで。



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淀屋橋にて7月22日(土)より、茨城県笠間市にて作陶されている小林耶摩人さんの作品展が始まります。
初めてとなる淀屋橋での個展
今回は、黒釉や粉引など定番の作品を届けてくださいます。

伝統的な古い作品を纏うような空気と佇まいを大切にしながら、現代の食卓に自然と寄り添い、日常へと溶け込んでいく小林さんの器。
使うことでより輝きを増す景色を、どうぞお楽しみください。

小林耶摩人展
2023.7.22(土)-31(月)
定休日:25(火)、26(水)
11:00-18:00
コホロ淀屋橋