淀屋橋店にて1月14日(土)より府川和泉展を開催しています。
空の景色が大好きだという府川和泉さん。
屋号でもある「陶ぼう空」より、私たちは彼女のことを「空さん」とお呼びしています。
初日の14日は空さんが在廊してくださいました。
明るく朗らかで、柔和な笑顔が素敵な空さん。
そんな空さんにお会いしようと、初日は長年のお付き合いのある方から、コホロを通じて作品を知り、好きになったという方まで、たくさんの方がお店に集い、空さんととても楽しそうにお話しをされている風景が数多く見られました。
今回届けてくださったのは、ほぼ全てが一点ものの作品たち。
全く同じ形、色味や柄のものは二つと無く、同じ土で同じ作り方をしても、その時の季節や気候、窯の状態等でまるで違ったものになるのだそう。
柔らかな水色から、暖かみのある乳白色になるもの、滑らかな質感のものから、ざらっとしたものまで、それぞれにしかない魅力が作品の随所に感じられます。
今回たくさんの種類のご用意がある朝鮮の器では、釉薬の流れ落ちる様がとても多様で、どの角度から見ても、また違った一面を新たに発見できます。
通常よりも固い土を用い、二種類の釉薬を焼く温度や時間によって変えるという朝鮮の器。
二色の対比や滲み具合をその時の土の状態や自身の感じ方で調整しながら作陶されるのだそう。
「土が気持ち良い状態になれるように手伝ってあげるような感覚」
そう話される空さんだからこその、自然な風合いを生み出しているように思います。
またぐい呑みや焼酎カップなど、酒器もたくさんお作りになる空さんですが、お酒だけではなく珈琲やお茶も入れてお飲みになられるとか。
小さな器に淹れると、少量ずつなのでじっくりと味わえる気がする、と空さん。
型にはまらず、どんな器も自由に使っていいのだと朗らかに話されます。
小さいサイズの器は色々な技法や土の配合のチャレンジが出来るから作っていて楽しく、時間が経つのがあっという間だそう。
そんな気持ちを表すかのように、一つひとつに個性があり、活き活きとしているのが感じられます。
今年で独立されて30周年を迎えられる空さん。
節目の年を迎え、改めて感じることをお伺いすると
「ここまで続けてこられたことが奇跡のよう。土と共に培ってきたものや、これまで関わってこられた人との出会いすべてが今に通じている。私はむしろ与えてもらっている側なんです」と仰る空さん。
そして30年経った今だからこそ学べること、新しく知ることがたくさんあるのだと、伸び伸びとお話しされているのがとても印象的でした。
30年という彼女の作陶の月日の中で、これからに向けて伺ってみると、
「今改めて環境の一つひとつに深く感謝を感じるようになりました。一日一日、小さな気づきを大切にし、素直に生かされていきます。」
常に感謝の気持ちを忘れず、自然と共に作品と向き合われるお姿はとても晴れやかで、こちらまで自然とエネルギーをいただけるようです。
コホロ設立当初から長くお付き合いをさせていただいている空さん。
これからも自然に逆らわず、その時の素直な思いを大事に作り上げられる空さんの作品を楽しみにしています。
会期は23日(月)まで。
一点一点で個性の光る、様々な表情を見せてくれる空さんの器。
どうぞご覧ください。
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佐賀県唐津七山、山や海も近く、漁業や農業も盛んな自然豊かな場所で作陶されている府川さん。
唐津の土と向き合い、自然と一体となった府川さんの内側から出てくる感性などが作品に反映されていることを感じます。
2023年の4月で独立されて30周年を迎えられます。
節目の年、府川さんのこれまでとこれからの作品への思いなどもご紹介できたらと思います。
朝鮮や三島など日々の食器、花入れなども届きます。 初日は府川さんが在廊してくださる予定です。
また展示に先駆けて淀屋橋のお店に届いている酒器や器などご紹介しています。ぜひあわせてご覧ください。
府川和泉さんの作品はこちら≫
府川和泉展
2023.1.14(土)-23(月)
※17(火)は定休日のためお休みです。
コホロ淀屋橋