芝田麻衣子「暮らしの中で活きる竹の道具」

8月19日(土)から、KOHORO二子玉川では「芝田麻衣子 暮らしの中で活きる竹の道具」が始まりました。
大分県別府にて竹のものづくりをされる芝田さん、二子玉川のお店では初めての作品展となります。
細やかな編み目や佇まいが現代の暮らしのなかにも自然と馴染む芝田さんのかご。
昨年の淀屋橋に続き、今年は二子玉川のお店で開催することとなりました。


初日は在廊し、製作の実演を見せて下さった芝田さん。

刃物を使って一本の竹を「パキッパキッ」と軽やかに半分、また半分と瞬く間に細く薄くしていく姿にお客さまも興味津々でした。


竹の茎を細かく割って作られた細い棒を“ひご”と言い、元の竹の姿からは想像できないしなやかさがあります。
芝田さんはこの状態からさらに幅や厚みを揃え、すべて面取りを行い、手に触れたときに驚くほどなめらかなひごに仕上げていきます。


スタッフも体験させてもらうことに。
節の部分が固く、まっすぐに刃を通していくのも難しい作業。
芝田さんの軽やかな手付きからは想像できないほどの力仕事だということが分かりました。


繊細な編み目でありながら頑丈でしっかりとした作りの芝田さんの竹かご。
たっぷりとした大きさの亀甲バスケットは、重い荷物にも耐えられるようにと持ち手の部分に竹の芯を4本入れています。
その上から籐をぐるぐると巻き付けることでしっかりとした持ち手に。

△亀甲バスケット(特大)


毎日気負わず使ってほしいと、傷がつきやすい底や角の部分も籐で補強しています。
新しい作品をつくる時も、まず自分自身で使い、時間をかけて改良を繰り返すのだそう。
使う方の視点を大切にし、細やかな部分まで作り込まれているからこそ、美しさだけでなく、安心して毎日使える頼もしい道具が生まれていきます。


△八つ目トレイ(正方)
左が芝田さんのご自宅で8年ほど使っているもの。
今回届いた右側のトレイと比べ、艶のある飴色に変化しているのがわかります。
普段は台所に置いていて、油を含んだり、手に触れたりすることで日々緩やかに育っていき深みのある表情になっていく姿も楽しみです。


△八つ目キューブバスケット

△輪弧バスケット 
きっちりとした形と一つひとつ異なる編み方の底面が魅力。

真竹の生産量が最も多い大分県。
昔から竹細工には馴染みがあったものの、おばあちゃんの家にあるようなちょっと古い道具という印象を抱いていたと、芝田さんは言います。
ものづくりを始める前に勤めていた仕事で、竹細工の資料館に配属されたことをきっかけに若い作り手の方々がつくる今の時代に沿った竹の作品に魅了され、自分も竹の仕事がしたいと勉強を始められました。
伝統的な編み方など古くからの作り方を大切にしながら、所々に芝田さんらしさが散りばめられている芝田さんの作品。
現代にも心地よく調和し、暮らしの風景を作ってくれます。


△イラストを交えながら、竹を作品にすることの難しさを教えてくれました。

竹は油分を煮沸で抜いて乾燥させるなどの工程を経て、白竹と呼ばれる加工できる状態になるまで半年ほどかかります。
竹材屋さんも一番若い方が75歳と高齢化が進んでいて、材料の入手も今後困難になる恐れも。
最近では若い作家同士で山を買って管理している方も増えているそうですが、制作の時間が削られるなど課題もあるようです。


△輪弧バスケット(大・小・中)

“ひご取り3年、編み10年”と言われるほど、つくる技術を身に着けるのが難しい竹の仕事。
「2年制の竹の専門学校を卒業し、今年で8年ですがまだまだ成長の途中なんです」と語る芝田さん。
色々な課題があるなかでも、白竹の自然な美しさや竹のものづくりを届けたいという情熱を持ち、日々丁寧にものづくりに向き合う姿勢が作品の一つひとつからも感じ取れます。
ぜひこの機会にお手に取ってご覧ください。



芝田麻衣子 暮らしの中で活きる竹の道具
2023.8.19(土)-8.28(月)
11:00-19:00
KOHORO二子玉川

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8/19(土)よりKOHORO二子玉川では、芝田麻衣子「暮らしの中で活きる竹の道具」が始まります。 
大分県別府市にて「白白」として活動する竹細工作家の芝田さん。
たくさんの人に竹の良さを知ってほしいという想いで、材料加工から仕上げまでをすべて手作業で行い、作品をつくられています。


今回新作として芝田さんが取り組まれた"八つ目キューブバスケット"。
かごの底面まで真っすぐで厚みの竹をぐるっと回すことで、重いものなどを入れられるよう丈夫に作りに。
あまり数が取れないという綺麗に節の入った材を用い、側面や持ち手部分は細やかな装飾も施されています。
一つひとつの材料選びから加工、細やかな仕上げによって完成します。


素材の持つしなやかさや編み目の美しさに加え、道具としての役割も担う芝田さんのかご。
現代の私たちの暮らしに自然と溶け込み、使う人の日常の風景になってくれます。

初めての二子玉川での作品展。
19日の初日は芝田さんが在廊し、実演もしてくださいます。
細やかな手仕事の数々をどうぞご覧下さい。

2022年コホロ淀屋橋での開催の様子はこちら≫

芝田麻衣子 暮らしの中で活きる竹の道具
2023.8.19(土)-8.28(月)
在廊日:19(土)
11:00-19:00
KOHORO二子玉川