淀屋橋にて17日(月)までスエトシヒロ フルカワゲンゴ展を開催しています。
2人展は今回が初めての開催。
初日と2日目は、お2人が在廊してくださいました。
お会いするのは今回が初めてとのこと。
お互いの作品についてじっくりとお話しされたり「2人ともカタカナって珍しいですよね!カタカナ展ですね(笑)」となぜカタカナになったかの経緯や地元のお話しなどなど…
お2人の楽しそうな話し声や笑い声が店内に広がり、さらにそこにお客様も加わったりと和やかであたたかい空間でした。
スエさんは長野県にて、磁器を作陶されています。
マット過ぎない少し艶のあるやわらかな質感が魅力。
いろいろな色がある中でなぜ白にこだわって作り始めたのか疑問に思ったので伺ってみました。
「地元福島の器は生活に馴染みにくい器が多く、器だけが浮いて見えてしまうことがよくありました。生活に馴染む色を自分で作りたいそう考えた時に、白がいいと思ったのが始まりです。マットででもマットすぎないもの、艶も少しだせるように何回も試して作りました。」
自然と生活の一部になる作品をと陶器から半磁器、そして今の磁器に至るまで釉薬の調合を何度も苦戦しながらも繰り返し行ったそう。
そのスエさんの向き合う時間が今の絶妙な質感を生み出したのですね。
コホロでは定番でご紹介しているホヤポット。
磁器の作品を作り始めてしばらくは制作されていなかったそうです。
「ポットを作れるようになったらようやく1人前だなと思っています。」
スエさんご自身の基準とする目標というか目指すところがそこにあって、そこに向かって確実に一段一段階段を上っていく姿がかっこいいと思いました。
作品に対しても自分に対しても厳しく向き合っていらっしゃることを感じます。
中国の世界遺産、福建土楼の円楼からできたエンロウガタ。
「この作品は自分の趣味のようなものです。いつか行ってみたいななんて思いながら作りました。」
スケッチをされたり、オブジェなども作られるそうです。
楽しんで作っていらっしゃるのがお話しを聞いていると伝わってきました。
挑戦した作品だと話されていたソリム皿。
リム皿はシンプルでよく使われるような需要のあるものだからこそ、自分らしさをどう出すかということに作ることへの迷いや苦手意識があったそうです。
勝負をしたという作品…少しそったリム、横から見た景色も美しくスエさんらしさが表現されたリム皿のように感じます。
フルカワさんは群馬県にて手びねりや型を使って作陶されています。
今回は銀彩と炭化を届けてくださいました。
銀彩は艶のあるものとマットな質感の2種類。
黒の釉薬(写真左)と透明の釉薬(写真右)で表情に変化が生まれるそうです。
銀彩でも釉薬の違いでこんなにも表情が変わることに驚きました。
銀彩は使い込むことで変化がうまれます。経年変化をしていくので、どんどん使って育てることを楽しめます。
フタモノが送られてきた時に、蓋の下にアルファベットのはんこが押された紙を挟んでくださっていました。
何だろうと読んでみると
「EGONOKI…えごのき」「OMIONAMAY…?やまのいも、山芋!?」
あまり聞き馴染みのない名前でしたが、DONGURIと書いている紙とつまみの部分の形が一致してつまみ部分の名前だということがわかりました。
蓋を開ける前にこれは〇〇!?とゲームみたいな感覚で、お客様に見ていただく前の準備が楽しい楽しい時間になりました。
フタモノの他にも種皿など植物に由来するものが多く、さらにあまり聞きなれない植物が多いので、植物がお好きだからそこからインスピレーションを受けていらっしゃるのかと思いお話を伺ってみました。
「農業もしていますし、植物は好きではあります。でも植物というより種が好きです。種をイメージしたものは昔からよく作っていましたね。種って形がおもしろいんですよ。フタモノの蓋も全部種です。」
知っている名前でも咲いた花は見たことはあっても、なかなか種を見る機会がないので、そこに着目するのがおもしろいです。
種皿はフジの種をイメージしているそうで、花びらは7枚なのは珍しくバランスが難しいのだとか。色々試しながら作ったそうですごいいいバランスでできたんです!と達成感のようなものが伝わってきました。
陶器の他にガラスの作品を作っていらっしゃったりと見ないようにしているとおっしゃっているほど、やりたいことが次から次へと生まれてくるフルカワさんのパワーに脱帽します。
次にどんなことに興味を持たれ、そこからどのように表現されるかも楽しみです。
お2人とも遊び心というか、大変さの中にも楽しみを作っていらっしゃるところに共通点を感じます。
スエさんのマット過ぎないやわらかな質感と土の力強さや手びねりのあたたかさを感じるフルカワさん。
2人展だからこそ、それぞれの作品の個性がより引き出されるように感じます。
まだまだ作品をご覧いただけますので、お2人の組み合わせも楽しみながらご覧ください。
会期は17日(月)まで。
フルカワさんからいただいた、お客様をたくさん招いてご縁を繋げてくれそうな招き寅とともにお店でお待ちしています。
最近のスタッフの楽しみ…
寒い寒い冬。冷えきった身体を温める時間が何より大切。家に帰ってお湯を沸かしてスエさんのホヤカップソリクチに緑茶を淹れてこたつに直行。
ぬくぬくこたつに入ってスエさんのカップで冷えた両手をあたためると体も心もほっこりします。寒いのは苦手ですがこういう時間は冬ならではの楽しみです。
スエさんの白はお茶の色を引き立ててくれるのはもちろん、この絶妙な質感と持った時の安心感というか身体の一部になる感覚なのでしょうか。手馴染みが抜群にいいのです。ここにお茶のお供にお菓子なんかを置けそうなフルカワさんの種皿も仲間入りさせたいな〜なんて考えています‼
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1月7日(金)より淀屋橋ではスエトシヒロ フルカワゲンゴ展を開催いたします。
磁器土を使って作陶されるスエさんと、炭化黒、銀彩など経年変化を楽しめる作品が印象的なフルカワさんの二人展。
スエさんのほんのりマットな白い器と、フルカワさんの土の力強さを感じられる表情豊かな作品のコントラストをぜひお楽しみください。
7日(金)と8日(土)はスエさん、フルカワさんも在廊してくださる予定です。
スエトシヒロ フルカワゲンゴ展
2022.1.7(金)-17(月)
在廊:スエさん 7(金)・8(土)終日/フルカワさん 7(金)午後・8(土)終日
11(火)は定休日のためお休みです。
コホロ淀屋橋